過去ログ - アンリ士郎「汝の欲す所を安価にて為せ！（ｷﾘｯ」一同「へー」
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639:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/03/10(土) 22:26:31.80 ID:yheQES6i0
　僧の言葉にいいようもない、心臓に楔を打ちつけられたギリッとした衝撃が走る。
　同時に、不吉な気配が空間を這うように伸びてきた。



「――――ほら、本当にすぐそこにいた」




　闇から生まれた者は闇に還る。
　生きる場所も闇、見えるものも闇、食らうものも闇。
　当たり前だ。だって欲しいものはそれしかないんだから。
　すべて黒く塗りつぶされた貴女は結局私の同胞なのよ、化物（フリークス）。


　――――でも、私の心がもっとも歓喜に打ち震える瞬間は何だと思う？


　そう、光のなかに生きてきた人間を闇に放つ時。
　その時何が見えるか知っている？
　貴女はどう思うだろうかな。少なくとも私は、それを見るのが嬉しくてたまらない。
　生きている。
　生きている。


　私はその時、それをひたすらに感じる。



　私と僧の背後に現界を果たした人物が、血走った眼で唇を濡らした。
　漆黒に染まった総身を起こし、静かな殺意を纏って。

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