過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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[sage saga]
2012/02/18(土) 16:13:52.83 ID:pWDs8SQR0
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「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!」
「ああ、またここも全滅させてしまったわ。まったく、これでよくもまぁ今日まで警備が務まったものね」
結局、布束砥信を助けに来たのは、ヒーローでも神様でも仏様でも天使か天女でも王子様でも、尼さんでもなかった。
確かに神様か仏様のように落ち着いていて、天使か天女のように美しく、ヒーローか王子様のようにカッコ良くても、彼女はそんな甘っちょろい物じゃなかった。
「…………あ……が……」
「あら、そこの雑草、なぜ私の足首を掴んでいるのです?」
「…ひぃっ」
「話しなさい。草が」
布束は、だんだんと鑢七実という人間を理解してきた。
伊達に人の記憶と精神を研究してきた“天才”科学者兼高校生じゃない。
まったく、なんて人間なんだろうと、今更ながら思う。
「草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が、草が」
彼女はくどいが、ヒーローでも神様でも仏様でも天使か天女でも王子様でも尼さんでもない。
魔王だ。悪魔だ。死神だ。鬼だ。
淡々と、ただ淡々と人の命をその手で狩ってゆく。まるで庭に生えた雑掌を毟っているかのように、人を斬り刻んでゆく。
証拠に今、すでに死した兵の背中を文字通り『お腹と背中がくっ付く』まで踏みつけていた。
奇しくも比喩とかぶっているのは、襲ってくる人が雑草のように無尽蔵になってやってくることだ。
七実はそれも淡々と狩る。狩る。狩る。
鑢七実は、魔王のように冷淡で、悪魔のように残忍で、死神の鎌のような手と足で、鬼のように命を狩る。まさにそれだ。
これらを連想させると、魔王が死神の鎌で淡々と悪魔か鬼のように雑草を刈るというシュールな絵になるが、実際は地獄絵となんと変わりはない。
彼女が通る道は紅く染まる。死体の山が築かれる。
この紅い道はどこぞの豪邸の廊下の赤絨毯のようだった。
ああ、将来そんな豪邸に一度は住んでみたいものだ。そこで白いサモエド犬を飼い、一人でひっそりと平和に暮らしてみたい。
布束はそんな『赤ばかりの景色』にいい加減嫌気がさしてきて、そんなどうでもいい事を間に挟まないと頭がおかしくなりそうだった。もう、紅い物なんて見たくなくなるくらいに。
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