過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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798:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/04(月) 01:34:08.35 ID:ouorT+Ut0
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「――――――…………………。」


『ズバンッ!』と効果音を付けるなら今だろう。

血が噴き出す。

全身の力が一気にでなくなり、体が膝から崩れ落ちた。

気持ちがよくなる程の華麗な一閃だった。

七実は呟く。


「終わったかしら」


だが、ブザーは鳴らない。

否だった。


「………まだ…だ、までですよ………」


絹旗は右膝を床に着け、脚が震えながらも立ち上がろうとしていたからだ。


(全くもって恥ずかしい。超失策をしてしまった。上体を反らしていた方がまだ良かった)


と反省しているがもう遅い。今は立ち上がる事すらも出来ない。血が足りないのか、フラフラと頭の位置が定まっていなかった。

そんな姿を見ている七実は、もう呆れている。


「本当にしぶとい」


だが、なぜか面白みがあって良いのではないかと思ってしまう自分がいる。

斬っても斬っても、どんなに斬っても、ここまで立ち向かってきたのは、生涯初めてだからだ。つい尊敬してしまう。


「ぐ……ぁぁ…………ァ……らぁぁぁああああッッッ!!」


何とか立ち上がる絹旗。もうこれが最後の力になってしまった。

もうどれくらい出血しただろう。血が一気に抜けたから顔色が青白くなっているかもしれない。


「いいえ、『諦めが悪い』と言った方がしっくりしていますね」

「へへ、よく言われます」


笑って見せるが、


(何もかもを超尽くした……何もかもを超やり尽くした……。もう超息も出来ないし、痛みも感じなくなってきた………。頭もフラフラで足元がおぼつかない……)


でも、まだ、まだ終わらない。

なぜなら、


「まだ、あなたを殴っていない……」


その言葉を聞いて、七実は嬉しそうに笑う。


「いいでしょう。何度でも立ち上がり、何度でも拳を振るい、何度でも立ち向かって来てくださいな。その分、私は全力を持ってあなたを斬り殺してあげましょう」




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