過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/02/14(火) 02:44:40.87 ID:dHLXlRgO0



「この牢屋から…nay,この監獄から出られたら教えてあげるわ」



七実はそれを聞くと、ふうん…という表情で布束が指した壁を見た。


「………要はこの壁を壊せばいいのでしょうか?」


壁というよりはドアなのだが。ドアノブがないだけ壁に見えたのだろう。


「ええ」

「そうすればここがどこでなんなのかが教えてくれるんですよね?」

「yes,それはもう詳しくね」


布束は座りながらそう言う。だが恐らく……


「無理だと思うわよ。きっと分厚くくて固い壁で解体用のハンマー車でなければ壊せない作りになって、」


七実の体は枝のように華奢で人形のように小さい。こんな小さな体でどうやってこの牢屋の頑丈な扉を開ける?


「あなたのような小柄な女の子がどうやって………」


と、言い終わる時だった。

七実はスーッと右手を刃の様にして壁を指先で撫で始めた。大きくバッテンを、吹奏楽の指揮者のように滑らかな動きで撫でる。

そして一拍間が開く。



ガダァァァァァァァアアアンン!!



すると、七実に撫でられた壁一面が巨大な刃物で斬られた様に、華麗な斬り口で斬って落とされた。

パラパラと砕けた破片が地面を叩く音と激しく煙たい砂埃とそれを押し出す風が立つ。


「布束さん。すいませんが、扉が開かないようなので壁ごと斬ってみました」


と申し訳ない様に七実は唖然とするこちらを見て笑う。

いや、別に『下らない頓智を使うな』とか『砂埃が汚い』とか『五月蠅い』とか言っている訳じゃない。


何の手品だ、これは。


まるで、鑢七実の右の手が刀の刃の様じゃないか。

布束は唖然とした表情のまま、興味深そうな顔で『なるほど、こうする事で音を遮断するのですね』と壁の断面を観察する七実を、初めて畏れた。


「……………あなた……一体……」


七実は壁から視線を外し、布束に向かってもう一度、自己紹介した。


「そうですね。あえて言うなら、私は鑢七実。虚刀流七代目当主鑢七花の姉、と言っておきましょうか。布束砥信さん?」


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