過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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804:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/04(月) 01:45:21.99 ID:ouorT+Ut0
それでも勲章モノだ。

あの鏡花水月から、生きていられるのだから。

だが―――。

七実の鏡花水月は七花のそれとは違う。凍空一族の怪力を100%フルに使った特別なものだ。

その風圧だけで、絹旗はガラスの壁に叩きつけられるのである。


「グ…―――――ァッ」


後頭部から猛烈な衝撃が伝わる。ハンマーで殴られた様な痛みがし、後頭部から血が流れる。もしも普通の人間なら、車に轢かれた蛙みたいにぺしゃんこになっていた程の威力だから、無理もない。

それが決定的なダメージになってしまった。鏡花水月を回避できても、それの副作用によって倒れたのならば意味はない。

――――絹旗の敗北だ。

糸が切れた人形の様に、崩れ去ろうとする絹旗の体。それさえもスローモーションだった。


(嫌だ、まだ諦めたくない―――。超勝ちたい。あと少し、あと少しで、超勝てるというのに――――。超考えろ、まだできる筈だ。まだ右腕は超動く――――。)


悔しそうに絹旗は表情を歪ませる。


(ああ、あの、七花さんが第七位に放った技、超凄かったなぁ――――。)


絹旗はあの壮絶な試合を思い出す。

あれはとても感動した。やっぱり、鑢七花は自分が見込んだ男だ。強くて、憧れる。だからついていきたいと思ったのだ。強くなるために。強くある為に。七花と共に生きる為に。


(だから、あの技…何とか習得したい――――。だから勝たなくちゃ――――。生きなくちゃ――――。ここで、諦めるなんて出来ない――――。諦めたくない――――。)





―――――――――――――――諦めたくないッッッ!!!!!





その思考こそが、決定的だった。


その思考があったこそ、諦めない。

ダメージは大きい。致命傷を多く負いすぎた。だが、まだ諦めていない。まだ一発分の体力はある―――。

まだ、絹旗は終わっていない。終わってたまるか―――。




そう、そうだとも。

まだ終わってはいない。

終わってはいない。






――――――絹旗の奇蹟は、まだ終わってはいない!!









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