過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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810:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/04(月) 02:04:31.96 ID:ouorT+Ut0
「もういい、喋るな……」

「超泣いてくれるんですか? ………超、嬉しいです」

「待っていろ。すぐにあの医者の所に連れて行ってやる」


そう力強く言いながら七花は走る。絹旗は嬉しそうに頬を緩めて、恥ずかしそうに。


「えへへ………七花さんに超お姫様抱っこされてる…………」

「呑気なこと言ってんじゃねぇよ!!」


まるで、今にでも死んでしまいそうな勢いだった。つい声が震える。


「やめてくれよ………。もう誰かが死んで、それを黙って見ているのは御免なんだ……頼むから………頼むから………」


声だけではない。心も、体も、凍えたように。

だが、絹旗の声は暖かかった。


「超大丈夫……超、超、大丈夫ですよ」


と、優しく、


「私、超死にませんから。七花さんの前では、七花さんより超早く、超死にませんから。例え100歳を超えるおじいさんになっても、私は101歳まで超生きますから……私、諦めません」

「絹旗ぁ!!」

「私、超強くなりますから。超強くなって、七花さんを守れるよう、七花さんを悲しまぬよう、七花さんが安心できるよう、超強くなって、一緒に……」

「絹は………ッ!?」


そこで七花は気付いた。絹旗の体温が段々低くなって、冷たくなっていくことを。


「絹旗……!」


でも、絹旗は笑っていた。


「私、覚えましたよ……。『鏡花水月』…『花鳥風月』…『百花繚乱』…『柳緑花紅』…『飛花落葉』…『錦上添花』…『落花狼藉』……。そして、『七花八裂』」


今から起こる未来が、本当に楽しみそうに、笑っていた。


「ふふふ………超楽しみにしてくださ……い。今に、七花さんよりも……超強く………」


だが、段々体温が冷たくなっていくと比例して、声色が弱くなってゆく……。眠くなる子供の様に、うっつらうっつらと瞼を閉じて眠りの底に就くように……。

七花は叫ぶ。


「絹旗……? 絹旗!? 絹旗ぁ!!」


いや、呼ぶ。必死に叫んで彼女の名を呼んでも、うんともすんとも言わない。もう、永遠に返事が無い様に思えた。

そして、とうとう呼吸も―――。


「―――――――――……………………」


七花は何も言わなかった。

とがめ達が待つゲートまで、残り10mの地点で、七花は走る足を緩めて歩く。

もう、何も感じなかった。


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