過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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836:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/15(金) 18:54:40.11 ID:WQVl3/1X0
良いだろう。死んでやる。元より死んだ身。死ぬのは怖くない。地獄の旅路なども怖くない。この世の地獄に勝る程の地獄は無いから、平然とあの世に行ける。


「とがめ、そんなことしたらしちかさんが…」


ああ、そうだった。七花を忘れていた。一番忘れてはいけない七花を―――。大切な大切な我が刀。私が生涯ただ一人惚れた、仇の息子……。

ああ、どうして忘れていたのだろう。どうにかしている。

だが、自分よりも七花にふさわしい人間がいる。とがめは絹旗を見た。

死にかけで、今にも死にそうだった。いや、もう死んでいる。だが、今すぐ来る医者は神の手を持っていると聞いた。例え死の国に赴こうとする者でも、それを引き帰らせる事ができるそうだ。

ならば、それに一縷の希望を託すとしよう。


「滝壺、絹旗によろしくと伝えておいてくれ。七花を頼む―――」


鋏を持つ手に力を入れる。

この非力すぎる腕では、人の体は刺せぬだろうが、この身なら刺す事は出来るだろう。


「―――しかし、何と良き世の中か。たった一人の人間の死の為に、ここまで泣いてやる少女が二人もいるのだからな………」


そう言って、とがめは目を見開き、自害する決意を固めた。

そして、一気に頸動脈に鋏を突き立てる―――――。










だが、










「―――――――はぁ〜い♪ 本当に全く全然面白くない茶番劇の途中に失礼するわぁ♪」









そんな、間の抜けた声と共に、“鋏が消えた”。


「!?!?」

「はぁっ!?」

「なに!?」


あんなにバラバラだった一同が、一瞬で同じ表情をする。

だが、それは一瞬で、とがめは悔しそうな顔をして振り返った。声がしたのは後ろからだった。


「――――――――そうか。そう言う事だったのか」




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