過去ログ - 美夏「お姉ちゃんの『鋼鉄の騎士』か…」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/02/19(日) 22:13:27.02 ID:4Azdazhc0
〜屋上〜
何とか星屑親衛隊を撒いたトニーは、避難のために屋上へと来ていた。
その手には、携帯電話が握られている。
信長に連絡しているのだ。

トニー「頼む。手段は選ばなくていいから、あのイカレた親衛隊どもを黙らせてくれ。あいつらに追いかけられながらじゃまともに話しができないからな」

通話を終え、携帯電話をしまってトニーは何気なく視線を正面に向ける。
そこにあったのは、フェンスにもたれかかるように俯いている春香の後姿であった。

トニー「乃木坂さん…」

春香「…来ないでください! 分かっているんです。高校生にもなって、あんな趣味があるなんて…。笑っても、いいんですよ。もう… トニー「笑うもんか!」 春香「…ふぇ?」

トニー「笑うわけ、ないさ。友達にバリバリのオタクがいるから、そいつと同じ趣味持ってても、俺は全然気にしない。秘密にしてほしいなら、俺は絶対に言わない。だから、心配しないでくれ」

春香「スタークさんは、私の趣味を馬鹿にしないんですか? 変な目で見ないんですか? 笑わないんですか?」

トニー「そんなことをする奴は確かにいるさ。でも、僕はそいつらの事なんて分かりたくない。そう言った趣味を持ってなくても救いようのない奴はそれこそ星の数ほどいる。それに、乃木坂さんは乃木坂さんじゃないか」

春香「私は……私?」

トニー「趣味は、その人の個性だ。人としての肝心の部分ってのは、もっと根っこの方、根底って所にあると思うんだ。それに、あの時、イノセントスマイルを見てた乃木坂さん、凄く可愛かった」

春香「え? か、可愛い…!? えっと、下心ですか?」

トニー「今のは下心抜きだよ。疑ってしまうのも仕方ないけどさ。ま、そういうことだからさ。あんまり気にしない方がいいよ」

春香「スタークさん…。そう言ってくれた人は、初めてです。もう、おしまいだと思ってました。私の趣味の事を知られてしまって、また馬鹿にされたらどうしようって思いました。でも、スタークさんで良かったです。本当に、ありがとうございました」

トニーに対して、深くお辞儀する春香。
ようやく安堵できたトニーは春香の肩をポンと叩いて、その場を後にしようとする。
しかし、偶然の女神がその場にいたのか、ちょうど出入り口の方をトニーが振り向いた瞬間、信長がやって来た。

トニー「何とかしてくれたのか? わざわざ俺を探さなくても、電話してくれればいいのに」

信長「あ、動きは封じておいたけど、僕も乃木坂さんを探そうかと思って…。もう見つけてたんだね」

トニー「悪いな、無駄足踏ませて。あ、春香。こいつは朝倉信長。さっき俺が言ってた、バリバリのオタクってこいつの事なんだ」

信長「何か僕のことを引き合いにしてたみたいだね」




〜更に次の日〜
抜き打ちの持ち物検査。
生徒たちからはあからさまな不満の声が響く。
一方、トニーの方はアメリカの『会社』を事実上切り盛りしている部下と会話中であった。
学校の方では、その点に関して教職員への念入りな説明があったため、教師の目の前で携帯電をいじってもよほどのことがない限り、注意することはない。

オバディア【それでジェリコのコストに関してなんだが、このままじゃうちの方針に反してしまうぞ。なんとか『薄利で損して多売で得をとれ』に合わせて使用変更できないか?】

トニー「電子機器の方をうちの製品に替えて、手作業の部分を増やすんだ。手で出来る部分まで無理して機械でするより、手作業の部分を残した方が金が掛からない場合もあるぞ」

オバディア【現場の方に言っておくよ。ところで、学校の方はどうだ? 服を見る限り、まだ学校の時間か?】

トニー「そうだけど、大丈夫だよ。寄付金をたんまりと積んでるから、その辺は学校の方が配慮してくれてる」

怪訝な目で見る大半のクラスメートたちを尻目に、テレビ電話で『スターク・エンタープライズの社長』オバディア・ステインと会話しながら教室を見回す。
そして春香が視線に入った瞬間、死んだような表情をしている春香を見て、トニーは瞬時に察した。
この人、絶対にイノセントスマイルを持っているよ! と。
当然、トニーは一計を案じる。

スタスタ トニー「今は持ち物検査中なんだけど、周りが睨んでるから廊下に出る」

オバディア【バッドタイミングで電話を入れてしまったようだな…】

通話しながら歩き、不自然にならないように春香の席に近づく。
そして躓いた振りをして、春香を巻き込んで盛大に倒れた。
イノセントスマイルを、刹那の速さで懐に仕舞い込みながら。

春香「!」

ガダーン!
巻き込んだ際に、勢い余って春香を押し倒しながら倒れたが。

ボソ トニー「イノセントスマイル、後で返すから…」

モブ連中「ちょっとスターク! いつまで春香様を押し倒してるの!?」「とっとと離れろ!」「スタークてめぇ!」「何てことしてやがんだ!」



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