過去ログ - おっさんがハッピーシンセサイザーを踊るまでに至る長い経緯(勝手な妄想)
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31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/21(火) 18:39:53.00 ID:3TZQKR1M0
その後、戻ってきた直樹に休んでいた分の申し送りを聞き、仕事に取り掛かったのだが、昼になっても、体のだるさがとれなかったので、
昼休みに近くの行き付けの診療所で点滴をうってもらい、そこでようやく復調できた。
日中、何度かケータイに恭子から着信があったのだか、どうも出社がばれそうで電話には出ることはなかった。
寝ていると思ってくれるだろうと楽観視していたのだが、結局帰ったときにはばれるのだから気は少し重かった。
そして、ウチの職場はまだ残務が残っていたのだが7時を越えた辺りで、周りの皆が気を使ってくれ自宅へ返ることにした。
マンションへ到着したとき、入り口で恭子を見かけたので、ちょうど買い物の帰りかなと普通に声を掛けようとしたが、違った。
待っていたのだ、俺を。
きっと今までずっと待っていたのだ。
その時の恭子の顔を俺は当分忘れる事は出来ないだろう。
怒っている、違う。
呆れている、違う。
拗ねている、違う。
なんとも表現しがたいその表情。
恐らくは心配しているというのが一番近いのか。

「おじさん、会社に行ってたんですか!あんなに熱があったのにどうしてですか!?」

そして、何で電話に出てくれなかったんですか?捲くし立てられた。俺は自分の軽率さを改めて実感し、その後色々言われたのをあまり覚えてない。
ただ謝る事しかできなかった。
はっきり覚えているのは「そんなに休むのが難しいなら、面談なんて来なくて良かったのに」と言った彼女に何も言い返すことができなかったことだ。
その後言い過ぎたと思ったのか、部屋に戻った後の恭子の打って変わった気遣いと優しい態度が俺はきつかった。心が痛かった。
俺は恭子の事をわかっていない、
何もわかっていなかった。
その日、夏海にお願いした事を彼女に言わなければいけなかったが、言えぬままにベッドへ潜り込む。
明日言おう、謝罪と、感謝の言葉と共に。
そう決めて深い眠りに着いた。



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