過去ログ - 少女「それは儚く消える雪のように」
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72:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:32:35.15 ID:WO2eriwB0
ラボの中は、まるでホテルの高級室のようになっていた。
食堂、遊戯室、寝室、客間と分かれている。
二階建てで、上階部分は絆の仕事部屋になっていた。
73:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:33:25.89 ID:WO2eriwB0
まぶしくて目がチカチカするほどだ。
「あ、絆。お帰りなさい」
嬉しそうな声に顔を上げると、部屋のソファーに雪が座っていた。
74:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:34:10.03 ID:WO2eriwB0
そこで初めて、
絆はこれが「クリスマス」のための飾り物だということに気がついてハッとした。
特に子供の頃、そういうことをしたことはなかったが、
宗教関連でそういった行事があることは知っていた。
75:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:34:49.31 ID:WO2eriwB0
おそらく彼女たちに教えたのは絃だ。
彼はそういった宗教上の取り計らいについて詳しい。
お祝い事があると聞いて、おそらく彼女たちに色々吹聴したんだろう。
76:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:35:21.17 ID:WO2eriwB0
「ただいま。気分はどうだ?」
「命ちゃんが部屋の中のこととか、
色々詳しく教えてくれたから凄くいいよ。絆こそ疲れてない?」
77:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:36:16.33 ID:WO2eriwB0
*
自室に戻ってひと息をつく。
もう夜も更け、真夜中になってしまっていた。
78:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:37:58.79 ID:WO2eriwB0
しかりつけて、さっさと寝かせることも出来た。
事実、絆は二日間、全く寝ていない。
死星獣の出現反応が確認された地域に雪をつれて向かってから、
79:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:38:49.41 ID:WO2eriwB0
死星獣が出ない頃は本当に仕事なんてないが、
出たら出たでアンバランスな忙しさ。
それがこの仕事だ。
80:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:39:37.99 ID:WO2eriwB0
自分にとっては、たったの七日だった。
だが彼女達にとっては、七日ではない。
そのあたりの感覚は未だに詳しくはつかめていないが、
81:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:40:45.43 ID:WO2eriwB0
犬猫のペットよりも、彼女達の寿命なんて儚く、
そしてはるかに脆い。
一度大学でバーリェの感じている時間間隔と、
自分たち人間の感じている時間の流れは似て非なるものだと教えられたことがある。
82:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:41:34.46 ID:WO2eriwB0
その間、預けていた絃も大変だっただろうなと苦笑して天井を見上げる。
そこで彼は、そんなことを思っている自分が不思議になって少しだけ目を瞑った。
誰かに会えて嬉しい。
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