過去ログ - 魔法少女×仮面ライダー まどか&W SS大戦GIGA MAX
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(長屋)
[saga]
2012/05/25(金) 22:59:30.17 ID:5mspMvK/0
私は、余りの事態に反応できずにいた。
佐倉さんもゆまちゃんも、私と同じく硬直してしまっている。
「……おい、嘘だろ。嘘なんだろ? そう言ってくれよ、なあ、マ、マミ……」
考えなしに大技を放ったせいで隙を作り、動きを止めてしまっていた私達を、ワルプルギスの夜が狙った。
たとえ万全を期していても避けられたかどうか怪しいような大きさと速さの業炎が、私達の眼前に迫り……
仮面ライダーW。翔太郎さんとフィリップさんが、間に入ってくれなければ、私達は確実に今の一撃で終わっていただろう。
3人の犠牲と、2人の犠牲。どちらが安いかは知らないけれど……
少なくとも、業炎を相殺しきれず焼かれたライダーが、私達のせいでその傷を負ったことは確かだ。
緑、白、黒で綺麗に彩られていた身体は今や醜く爛れ焼け落ち、原形を留めてはいない。
……待て。ライダーのボディがこれだけぼろぼろになっているということは、中の二人は、どうなっている……!?
一陣の風が舞い、仮面ライダーWの変身は強制解除された。
中から姿を現した二人は、がくりと力無く崩れ落ちる。
すぐに私と佐倉さんで二人の状態を確認する。あちこちから大量に出血しているし、体中に酷い火傷を負っている。
「やっ、いやぁ! しょーたろーもフィリップも、しんじゃいやだよ!」
ゆまちゃんが必死に回復魔法をかけて二人の傷を癒すが、二人が目覚める気配はない。
……当然だ。それくらい、真っ先に確認した。
「……ゆま、やめろ」
「え、なんで!? しょーたろーとフィリップ、なおさなきゃ……」
「もう……やめなさい、ゆまちゃん」
「……2人は、もう、死んでる、わ」
ゆまちゃんは、まだ私の言ったことが理解できていないのか、蹲ったまま動こうとしない。
そんな彼女を尻目に、私と佐倉さんは立ち上がり、恐らくは今までで最も冷えた瞳でワルプルギスの夜を見つめた。
奴は連続で業炎を放ってはビルを投げつけ、こちらを滅茶苦茶に攻め立てている。
最早今まで練習してきた連携攻撃など、使う余地はないだろう。
「……分かってるわね、佐倉さん」
「ああ。こいつぁ……犠牲なしで勝てる相手じゃあねえ。今更ゆまを連れて逃げても多分無駄だな。背中燃やされて終いだ」
「私は、だからこそ犠牲になろうと思うけれど……どうする? 逃げるというなら、その補助くらいはするけど」
「舐めんなよ、マミ……いや、マミさん。あたしだって、最後くらい格好つけてーのさ」
「……そう。ほんと、バカね」
「アンタにゃ言われたかねーな」
そう言って、私たちは最後に拳を打ち付けた。
弦太朗さんのそれほど格好良くは決まらなかったけれど、私と佐倉さんとの間は、これくらいで丁度いい。
最後の最後に、またこうして二人で戦えるのだから。
「レガーレ・ヴァスタアリアァァアアッッ!!」
「捕縛結界ィィイイイイイイッッ!!」
私の広域拘束魔法と佐倉さんの障壁魔法で、ワルプルギスの夜の動きを止めようと試みたが、
とても奴をとらえて動きを封じる余裕などなく、今こうして奴の動きを妨げているだけで魔力が尽き果てそうだ。
(私達はここで終わってもいい……だから、最後にありったけの魔力で……!)
『はぁぁぁあああああああああっっっ!!!!』
私のリボンと佐倉さんの札が、より一層強くワルプルギスの夜に絡みつく。
そして――私達は、ソウルジェムをマギカドライバーから取り出し、軽く投げ上げた。
皆なら、きっとやってくれる。私達の今から行う最大の攻撃を無駄にせず、きっとワルプルギスの夜を退治してくれる。
そう信じて、残存魔力をすべて解放した。
私達が最後に見たのは、ソウルジェムが魔力の負荷に耐え切れず砕け散る様だった。
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