3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/02/26(日) 01:29:23.95 ID:0NU+SH9ao
 正直、その当時は大した衝撃も驚きもなかった 
  
 「ああ、宜しく」 
  
 と挨拶を返し普通に、その日の会話はそれだけで終わった。 
  
  
  
  
  
 次の日、また次の日、徐々に僕は彼女と話すようになっていった。 
  
 なんてことのない、他愛のない話から始まった話は、いつしか僕自身の欝な話へと持って行くぐらいに。 
  
 欝な主張を話すぐらいの、それぐらいの仲になっていた。 
  
 「人間の進化の過程でできた”知能”というものは、人間に不幸をもたらしたと思うんだよ」 
  
 昨日風呂にはいっていた途中に考えた話を彼女へと話す 
  
 「そう? 知恵って素晴らしいじゃない。パソコンとか、理解出来ないような知識が詰め込まれて出来た物とか、知能がないと出来なかったじゃない」 
  
 彼女は決まってポジティブな意見を僕へと返す 
  
 「しかし、それが人類全てに利益を齎してるとは限らないよ」 
  
 「人類全てに利益を齎すなんて無茶な話よ。便利なだけいいじゃない」 
  
 「その便利さが人間の進化を阻害しているのかもしれない」 
  
 「でも便利を追いかけて、利便性を追求して、人類は進化してきたわよ?」 
  
 「その進化すら正しかったのか」 
  
 「正しかったのよ」 
  
 「君はいつでもポジティブだね」 
  
 「そう? 普通よ」 
  
 僕は羨ましかった。 
  
 彼女の陽気さが、とても。 
  
  
  
  
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