5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/02/26(日) 01:47:25.32 ID:0NU+SH9ao
明くる日、彼女はぱったりと学校へと来なくなった。
僕は混乱した。
意味がわからなかった。
彼女と最後に話した内容を必死に思い出す。
あの時は、たしか彼女から話を切り出したのだった。
「人間が平等っていうのは、どうしても嘘だよね」
彼女らしからぬ、僕が話すような内容を彼女は打ち出してきた。
「どういうこと? いや、その意見には概ね賛成だし、僕もその意見に対する賛同の言葉を持っている」
僕から目を逸らし、彼女は
「なんていうかな。ふと、思っただけ」
「なんだ、連れないな。話してくれていいじゃないか」
「ううん。いい」
「陽気な君らしくない」
「――陽気、か」
その時気づくべきだったのだ。
いや、前から気づくべきだったのだ。
彼女が、陽気だの、ポジティブだの言われるたびに、眉を潜める姿を。
悲しそうに顔を背ける事を。
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