過去ログ - ほむら「思い出せない…私は何者だ?」
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(チベット自治区)
[saga]
2012/03/28(水) 21:42:58.97 ID:vYwpCx2u0
ぬうっ。
ほむら「私の名前は暁美ほむらだ」
恭介「うわあっ?!」
時間を止めてベッドの窓側の下から這い出ると、彼は跳ねて数センチずれた。
素っ頓狂な声を上げた部屋のヌシに、扉のガラスでは「何事だ」と二人が慌ただしくうごめいている。
恭介「な、な、な」
ほむら「さやかの友達だ、よろしく」
左手を差し出す。
が、恭介は驚いたような奇人変人でも見るような目で私を見たまま動かない。
こんな奴の腕を治すくらいなら私の制服の袖についたシミを落とした方がまだまだ良い気がしてきた。
ほむら「挨拶くらいするべきじゃないか?」
恭介「……君は、僕を馬鹿にしているのかい」
ほむら「?何が」
恭介「僕の左手を見ればわかるだろう、動かないんだよ」
強い口調で包帯ぐるぐる巻きの左手を差し出してきた。
被害妄想の強い子だ。怪我した方の手を求められただけでここまで剣幕になるとは。いじめられっこの発想というやつだ。
私は恭介の左手を、同じく左手で握った。
ほむら「よろしく、恭介」
恭介「……」
怪訝そうな顔だ。
さやかはこの男のどこが良いのだろう。
彼のバイオリンによほどゾッコンなのだろうか。だとしたら非常に純粋に音楽が好きなのだろう。
そう思うと、さやかの願いはかなり純粋な部類になるのではないか、と思った。
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