過去ログ - スティーブ「…『妹と恋しよっ♪』? ……R18!?」
1- 20
122: ◆lc8fM/f/jN38[saga]
2012/11/27(火) 00:25:01.90 ID:KInp1XN60
次の日。
個人的には物凄く嫌だったが、桐乃ちゃんが通う中学校の側の児童公園に新垣あやせをメールで呼び出した。
昔、この公園に京介君が桐乃ちゃんや麻奈美ちゃんと一緒にいたところを何度も見た。
京介君が死んだあの事件のしわ寄せで、滑り台も、ジャングルジムも、ブランコも根こそぎ撤去されて、残っているのは砂場ぐらい。
遊ぶ子供も皆無という、たまらなく物寂しい場所と化してしまったが、それ故にこれからする話……とその後起きるかもしれない殺し合いには好都合と言える。

あやせ「わたしにお話ってなんでしょう?」

これから殺し合いでもするかのような目だ。
いや、次第によっては殺し合いに持ち込むつもり満々だな。

キャプテン・アメリカ「桐乃ちゃんのことに決まっているだろう」

あやせ「その話なら、もう終わりました。私の考えは昨日お話ししたとおりです」

キャプテン・アメリカ「結論を急ぎ過ぎてどうする」

あやせ「急いだつもりは全くありません。わたしは桐乃を更生させたいと思っているのに……! なのに…………桐乃は!」

新垣あやせの声は震えている。
僕にはわかる。
桐乃ちゃんは絶対に自分の趣味は捨てない。
新垣あやせは、マスコミの腐ったバッシングを鵜呑みにしすぎて、オタクという概念そのものに偏見と嫌悪感を抱いてしまっている。
バッシングの中には正しい物もあるだろうし、彼女の中にオタクを生理的に受け付けない面もあるかもしれない。
見るからに潔癖そうだし。
お人好しで、礼儀正しくて、とてもいい子、だけどどうしようもなく思い込みが激しくて頑迷で、オタク嫌い。
僕が彼女をいけ好かないと感じた理由は、まさにそのオタク嫌いを何となく察知してしまったからだろう。

あやせ「スティーブさんからも言ってくれませんか。桐乃の趣味をやめさせたいんです。お願いします」

あやせ「もう……わたしの言葉じゃ届かない……から…………」

新垣あやせは頭を下げてきた。
だが、それにこたえる気は毛頭ない。

キャプテン・アメリカ「それはできない、絶対にだ」

あやせ「……桐乃の世間体、壊しちゃいますよ? …・・・と言っても?」

キャプテン・アメリカ「お前はそんなことをする人間じゃないことは、桐乃ちゃんが教えてくれた」

キャプテン・アメリカ「それを知らなかったら、今の言葉を聞いた瞬間に僕はお前を殺していただろう」

僕は反論の暇を与える間もなく、大介さんから資料を出した。

キャプテン・アメリカ「あの後、僕の方で色々調べさせてもらったよ。『シスカリ殺人未遂事件』や件の会合における社会の木鐸モドキの主張に関して」

キャプテン・アメリカ「活論から言うぞ。オタク趣味と犯罪の因果関係は、未だに認められていない」

あやせ「……え? で、でもテレビのニュースでは……。それに、あのジャーナリストの人だって!」

キャプテン・アメリカ「アニメやエロゲーの影響で簡単におかしくなる人間なら、それらに触れる前にとっくの昔におかしくなっている。それぐらい、自分で考えろ!」

あやせ「それはあなたの個人的な意見でしょう!?」

キャプテン・アメリカ「肯定だ。だが、僕みたいな意見を持つ人間は沢山いる」

キャプテン・アメリカ「これは『児童ポルノ禁止法改正に当たり、拙速を避け、極めて慎重な取り扱いを求める請願』のコピーだ。数百人の署名付きで提出された物のな」

あやせ「で、でも! 実際にゲームに影響されて……!」

キャプテン・アメリカ「『シスカリ殺人未遂事件』か? 運が悪かったな。犯人のウソに反応したマスコミのでっち上げだったよ」

キャプテン・アメリカ「『ゲームキャラの真似をして、女の子を感電死させようとした』って言っていたのは最初だけ。その時の犯人の態度が引っ掛かった刑事が更に追及して本当のことを言わせたんだ」

キャプテン・アメリカ「『女の子に乱暴したかったから、改造スタンガンをちらつかせた。死にかけるとは思っても見なかった。だからゲームの影響だと嘘をついて矛先を逸らせようとした』。これが動機だ」

キャプテン・アメリカ「ゲスな事件であったのは確かだけど、ゲームの影響なんて全くなかった。けど、マスコミが報道した時点では、『ゲームの影響で人を殺そうとした』と連想しやすい事件になっていた」

ここでちょっと一息いれる。
地の文を入れておこう。

キャプテン・アメリカ「問題は、散々アニメやゲームの影響云々言っておきながら、いざ違っていたと分かった瞬間に全く報じなかったことだ。マスコミはいつもそうだ。謝罪・訂正という概念が完全に抜け落ちている」

それを聞きながら、新垣あやせは僕が渡した資料を必死になってめくる。
読み進めるごとに、新垣あやせの表情が固まっていくのが分かる。

あやせ「そんな……でも……、あの人は母もお世話になっている人なのに……!」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
159Res/247.68 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice