過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」 part2
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nubewo
◆sQkYhVdKvM
[saga sage]
2012/10/08(月) 14:32:03.75 ID:Z3aSYbS0o
決意の、篭もった瞳。それが吹寄を貫いた。
不安、恐怖、歓喜、安堵。
相反する両方の感情が吹寄の心に湧き上がる。
上条が今から何を言おうとしているのか、吹寄にももう分かる。
「制理が、欲しい。制理とひとつになりたい」
「――」
うん、と言おうとしたと思う。吹寄はそうしたつもりだった。
だけど、その言葉は簡単には出てこなかった。
たった一人の男の人にしか、捧げられないもの。
たった一度きりの、初めて。
それを経験してしまえば、もう、無かったことには出来ない。
自分が変わってしまう。自分と上条の関係も変わってしまう。
その事実に、怯んだ。
「……駄目、か?」
「違うの」
吹寄は、ためらいを見せてしまったことを後悔した。
拒否の意図を感じて上条が傷ついたような顔をしたから。
その気持ちだって、分からないはずが無い。
こんなにあれもこれも許して、最後の最後だけはノーなんて、言えない。
そんなのは、都合の良すぎる女だと思う。わがままだ。
「……不安、なの」
「そっか。ごめん、俺、焦ってるよな」
「そんなことないよ。当麻、優しかった」
悪いのは、自分のほうだと吹寄は思った。
「当麻。ぎゅって、して」
「ん」
上条が崩れ落ちた吹寄の隣に寝そべり、しっかりと抱き寄せてくれた。
もう、さっきまでの抱擁とはレベルが違う。
二人とも一子纏わぬ姿で、互いの性器を既に愛撫しあった仲で、二人の体はもう、繋がる準備を済ませている。
上条の手が、吹寄の体のあちこちを撫でる。
「当麻は……したい、よね」
「……制理の嫌がることは、したくない」
「うん。でも」
「本音を言うと、したい。制理を抱きたい」
吹寄は抱きしめられたまま、上条に撫でられ、頬を持ち上げられた。
視線が、ぶつかり合う。
意思確認とは、やはり目と目を見て、することだ。
吹寄は上条の瞳に吸い込まれそうになった。
「制理の全部が、欲しいんだ。制理が死ぬほど可愛いから。死ぬほど好きだから」
「とう、ま」
「制理の嫌なことはしたくないけど、もし受け入れてくれるんなら、したい。
制理を独占したいんだ。世界で一番、好きだから」
「……恥ずかしいよ。当麻」
「じゃあ、どうすればいいんだよ」
クスリと笑った自分に、恥ずかしげに文句を返す上条。
ふと、吹寄は心に浮かんだ言葉を、反芻した。
この人なら、いいかな
自分のことを、きっと大切にしてくれる。そう信じられる。
自分の判断が正しいかどうか分からないけれど、こんなにも愛してくれる人に、捧げたい。
「優しく、してください」
「……いいのか?」
不安は正直に言って、まだある。きっと最後まで消えないだろう。
だけど優しく微笑んでくれた当麻の笑みが、それを紛らわせてくれた。
吹寄制理は、少し緊張を孕んだ微笑で、コクリと頷いた。
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