過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」 part2
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6:nubewo ◆sQkYhVdKvM[saga sage]
2012/03/04(日) 01:16:03.10 ID:iJDfMYBBo

「ごめんなさい」
「別に姫神に言い寄ったこともないし、変に意識なんてしてない。
 それを制理に疑われちまったら、俺はどうやって晴らせばいい?」
「ごめん。本気で言ったんじゃない」
「そうか」

くいと、上条に頬を持ち上げられた。
唇が、上条の唇でふさがれる。

「ん――」
「制理。愛してる」
「うん、あたしも。大好きだよ、当麻」

頭を上条に預けながら、キャミソールをスカートの中にしまいこむ。
これで大体は元通りだった。
もう、いつでも教室に戻る準備は出来ている。

「制理。ちゃんと決めておかないとまずいから、聞くけどさ。
 ……どうしたい? 今までどおり、もうしばらくだけでも付き合ってるのを隠しておくってのには反対か?」
「当麻が、あたしのことを考えてそうしてくれてるのは、わかるから」
「ん。やっぱり、嫌なんだよ。俺が制理の胸に溺れちまったのは事実だけど、
 こういうことしてるってのがばれて、制理が軽い女だとか、性癖がどうのとか、そういう話をされるのはさ」
「うん……」

煮え切らない肯定しか、吹寄は返せなかった。
上条の理屈は、納得できる内容だ。自分のことを考えてくれた理屈だし、その気遣いは嬉しい。
だけど、これからも姫神と上条の距離をクラスメイトが勘違いするのは、嫌だった。
もっと嫌なのは、その間違いがきっかけになって、本当に姫神との距離を近づけてしまうこと。
それだけは、絶対に嫌だ。姫神はいい女の子だから、上条だって絶対に嫌いになんてならない。なれない。
自分は、上条と喧嘩だってしてしまう。小さな言い合いなら、この一週間という短い間に、もう経験してしまった。
そうやって自分が上条との距離を広げてしまったときに、もし、姫神が隙間に滑り込んできたら?
……それは考えるに値しないような不安なのかもしれない。だけど、笑って見過ごすことは、吹寄には出来なかった。

「教室に戻ろう。制理。俺が先に、出るからさ」

上条は、自分の真意を何処まで汲み取ってくれたのだろうか。
分からなかった。
ただ、姫神と上条の距離にだけは、この後も不安に思ってしまうような気がしていた。



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