過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」 part2
1- 20
71:nubewo ◆sQkYhVdKvM[sage saga]
2012/03/15(木) 21:35:19.47 ID:iLHIXR/Lo

上条はとりあえずリクエストに応えて、吹寄の唇を吸い上げる。
だけど、本題はそれじゃない。
吹寄もきっとそれを分かっていて、はぐらかしているのだ。

「さっきゆっくりできなかったこと、して欲しいんだろ?」
「今、もうしてるじゃない」
「それ以上の事」
「言わなきゃ駄目……?」

恨みがましい目線で見つめられた。だけど本気で怒ってはいないとわかる。
もう、一日二日のかりそめの仲ではないから。

「言わないと今日は帰らない」

極力、冗談めかして上条はそう告げた。
本気で言ってみたい欲求をどこまで抑えられたかはわからない。
たぶん、結構本音は漏れていたのだろう。吹寄が、息をのんだ。

「か、帰らなくても」
「えっ?」

何か、吹寄が意外なことを、言った気がする。
ぎゅっと上条の腕を抱き寄せ、視線を上条に合わせないようにしながら、ぽつりとこぼした。

「夜にお別れするのは、寂しいから」
「制理」
「当麻こそ、嫌じゃなかったら」
「いいのか……?」

深夜まで添い寝をした経験がありながら言うのもなんだが、「お泊り」というのは、それはそれは深遠な意味がありそうに聞こえる。
吹寄もそれは分かっているだろうに、拒むどころか、勧めるような言葉をほのめかしていた。

「怖いことは、しないでくれる?」
「約束する。制理を不安がらせたり、怖がらせたりはしない」

たとえ、今夜をはじめての夜にすることができないとしても、それでいい。
そう伝えるために笑ってキスをしたら、ふわりと吹寄が肩の力を抜いてくれた。

「あたしも。素直になりたいから」

そう言って、吹寄は逡巡するように視線をさまよわせてから、そっと上条を見上げた。

「恥ずかしいから、一回しか言わないわよ」
「え?」

上条が、そういうおねだりを期待しているのは、わかってはいるのだ。
だから、一回だけその要求に、応じてあげようと思った。二度はない。……たぶん。
吹寄は一層強く上条に寄り添い、頬を上条の胸に押し付けるようにしながら見上げて、一言、呟いた。

「当麻。その……吸って、くれない?」




(続きは省略されました。全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでくれなくても待ってればそのうち投下されます)



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
265Res/176.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice