130:ブラジャーの人[saga]
2012/03/27(火) 23:10:14.77 ID:mcabOpkg0
マライヒと、彼女に抱っこされているフィガロ、一方通行と打ち止めは連れ立って歩いていた。
ここマリネラ宮殿については、我が家のように詳しいというマライヒが案内してくれるというからだ。
あの『パタリロ殿下』とは、かれこれ七年も付き合っているマライヒは、マリネラを訪れる頻度も多い。そしてパタリロが彼の住むロンドンに足を運ぶ機会も同じように多いらしい。
打ち止めは一方通行がその申し出を辞退するのではないかと思っていたが、意外にも了承された。
それは、一方通行がフィガロに抱いてる不信感故だが、打ち止めは知る由もない。
「マライヒと王様は仲良しなのね、ってミサカはミサカは友情の大切さを実感してみる。あなたも、ハマヅラやカミジョウを大事にしてね?」
「話が飛ンだな」
「全然飛んでないよ」
「二人とも仲良いんだね」
フィガロを抱っこしたマライヒが笑う。「あそこが気持ちいいんだよ」と、見晴らしの良い丘に建つベンチに腰を落ち着けた。
大理石の柱と屋根に囲われ、日差しを遮ってくれている。
「あんまり妊婦さんを歩かせちゃ悪いかもと思って。もう安定期?」
「おぉ、分かるの? さすが経験者は違いますなぁ、ってミサカはミサカは先輩に色々訊いちゃおうかと算段してみたり」
「うーん、でもぼくはちょっと事情が特殊というか……。出産も回復手術だったし。でも産んだ後のことなら大体答えられるかな」
十八歳でフィガロを産んだマライヒ。打ち止めにとって思いがけない出会いであった。
今の自分と大して変わらない年で母親になった彼女の経験談は、打ち止めを大いに勇気づけてくれる。マライヒがだんだんと困った様子を見せるのに気づかずに、矢継ぎ早に質問を投げかけた。
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