過去ログ - とある未来の通行止め その3
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148:ブラジャーの人[saga]
2012/03/29(木) 22:13:16.61 ID:/GXO2Ef30

最初に歩いた大きな廊下を、宿泊する部屋とは反対に折れて案内された、三十畳ほどの部屋。
中では給仕に動くタマネギ隊員達と、窓辺に立って外を眺めるパタリロがいた。
ここでは、何もかもをタマネギ部隊がやるらしい。掃除も、事務仕事も、食事も。

(あらゆるテストをクリアした一握りの人材なンじゃねェのかよ。……ン? 誰だ、ありゃァ)

パタリロの隣には、背が高く、長い黒髪の男がいた。なにやら密談を交わしているように見える。

「パパー。お仕事終わり?」

一番最後に入って来たフィガロが駆けだす。彼がフィガロの父にしてマライヒの恋人、バンコランである。
イギリス情報部・MI6の諜報員で、階級は数年前から中佐。
マライヒよりも長いストレートヘアーを揺らしながら、一方通行と打ち止めに近づき、バンコランはそう簡単に挨拶した。

「ジャック・バンコランだ。よろしく」
「黄泉川打ち止めです」
「………一方通行だ」

やけに、一方通行との握手だけ長い。戸惑いの表情でバンコランを見上げると、彼は目を細めてにっこり微笑んでいた。

MI6のバンコラン中佐といえば、『その世界』では知る人ぞ知る、美少年キラーである。
三十四歳になっても、その直らない浮気癖のせいで、マライヒは気を揉んでいた。

今、一方通行は彼の射程圏内の獲物として狙われている……



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