200:ブラジャーの人[saga]
2012/04/04(水) 03:23:49.86 ID:pBo30ojn0
轟音が止んだのは、四分以上も後だった。土煙が凄まじいので、それを風に乗せて払う。
ようやく呼吸できる状態になったので、穴から飛び上がってきた一方通行は電極のスイッチを通常モードに戻した。
ダイヤの原石が含まれている岩を集めた場所に移動しようと、ますます歩きにくくなった荒地を進もうとしたら、
「げぇっほげほげふぉ、あー死ぬかと思ったぁ。息が……、喉が……誰か水持ってこーい」
「な……!?」
半ば砂と石に埋まりながら、パタリロが両手を振り回している。
「お、一方通行さんちょっと僕を掘り出してくれ」
「にやってンだ……!」
「見たくて。君の超能力」
呆れを遥か彼方に通り越して、あの一方通行が動けずにいた。我を取り戻し、能力を使ってパタリロを引っ張り出してやる。
(見たかったからァ!? そしてなぜ生きている……!?)
「見たぞ見たぞ! でも凄いということしか分からなかった」
「このアホ国王が……、死にてェのか。離れてろと言っただろォが……!」
「いやー、ゴキブリ走法がなければ危なかったよ。でも生きてるから結果オーライだ」
異常すぎる。このパタリロ・ド・マリネール八世という少年王は。
「………オマエ、もしかして『原石』なンじゃねェのか?」
「やだなぁ、ダイヤモンドのように輝いてますかぁ?」
「意味が違ェよ……」
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