過去ログ - とある未来の通行止め その3
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220:ブラジャーの人[saga]
2012/04/08(日) 23:24:21.25 ID:FBwAHyRF0

初日のように賑やかな夕食を終えた一方通行は、打ち止めより先に入浴した。今は交代で彼女が風呂を使っているので、夜風に当たろうとテラスがある場所を訪れた。
常春の夜の風が気持ちいいことを、けっこう気に入ったのだ。

テーブルに肘をついて庭木のざわめきを聴き、花園から香ってくるのか、いい匂いを吸い込む。
目を細めてリラックスしていたら、突如背後でライターの火を灯す音がする。

そこには、スパイ仕込みか、気配を忍ばせて接近していたバンコランが立っていた。

「やぁこんばんは。ここで吸ってもいいかね?」
「勝手にしろよ。ここは俺の家じゃない」

ジッポライターを背広の内ポケットにしまい、葉巻を摘まんで煙を吐く。紫煙が暗闇に揺れていた。
薔薇の香りが掻き消されてしまったが、そんなことを残念に思う一方通行ではない。

「俺になンか用ですかねェ」
「口寂しかったのでな。そうしたら先客が居ただけのこと」
「そォかよ」

一方通行から二メートル弱の距離を保ち、バンコランはただ葉巻を嗜む。しばし、無言が続いた……

「いや、少し……興味はあるな」
「あ?」

いきなり会話の続きが始まったらしい。しかも「興味がある」ときた。同性愛者の男が。
一方通行は首を捻って振り向く。



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