292:ブラジャーの人[saga]
2012/04/24(火) 22:19:38.07 ID:RWe9LCdy0
自分といられるだけで満足。『物』には大して執着しないと言う打ち止め。
自宅に大切に仕舞っている、あの指輪だけで満足しているのだろうか。二年も前に、衝動的に買ったアレだけで。
(しかし、浜面の結婚式での様子とかを思い出す限りじゃァ、結婚指輪、婚約指輪には反応を示すと思うンだよなァ……)
それは一方通行の希望。
苦労して掘り当てたピンクダイヤ。妻を一人宮殿に残し、寂しい思いをさせてまで手に入れたピンクダイヤ。
現在、パタリロ国王の威光を発揮させて、大急ぎで加工、カットの真っ最中である。
リングは先にデザインと製造を終えてあったので、それさえ終わればもう渡せる。
プロポーズから、結婚式(まだ挙げてない)、そして婚約・結婚指輪と、色々とおざなりにしてしまった。
いわゆる『デキちゃった婚』。しかも学園都市第一位と、
第三位のクローン・妹達の司令塔である最終信号の夫婦という特殊な事情もあったから……と彼は言い訳したい。
それを帳消しにとはいかないまでも、多少の不義理を埋めることのできるアイテムとして、
世界にただひとつの特別な指輪を贈りたいと考えていた。
それなのに、
(こンなものより、「一緒に観光したかった」とか、「病院から離れる危険を犯すほどのことか」、と言われたらどォすりゃいいンだ)
そんな不安が湧きあがる。
明日には完成する特別な指輪。愛と誓いと信頼の証。そして、謝罪の意もちょっと含まれている。
なにより、打ち止め喜ぶ顔が見たいから……
しかし、その辺の価値観の違いが離婚の原因になるのでは? 情報番組や大衆向けコラムでは、それが定番だと謳われていたじゃないか。
(……………)
ここまで来て渡さないワケにはいかない。祈るばかりである。
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