293:ブラジャーの人[saga]
2012/04/24(火) 22:23:56.18 ID:RWe9LCdy0
「わぁ、この人見て! 王様のご先祖様だってぇ!? に、似てなーい!ってミサカはミサカはイケメンキングとお爺さんの顔の違いに爆笑してみる!」
「……なンつーか、潰れた肉まンだな」
「どっちかっていうと、あんまんかな」
歴代国王の肖像画が、壁一面に数十枚も連なって飾られている。
近代以降は写真になり、もちろん一番端の最後の写真は二人にも馴染みの深い、パタリロ・ド・マリネール八世その人なのだが。
展示室を順路になぞって歩いていた二人は、思わず立ち止まった。
「………え。この子供が昔の王様なの?ってミサカはミサカは潰れたピザまんを凝視してみる」
「爺さンとソックリじゃねェか。どうやったらコレがああなるンだ? 全身整形か? サイボーグか?」
隣の隣に飾られた写真の中の祖父にそっくりな、十歳の頃のパタリロ。戴冠式の写真と思われた。
短い手足と、丸々と太った体。上下から圧縮したように潰れた顔。今の彼とは間逆の容姿だった。
掃除夫に扮したタマネギ隊員を発見したので、礼儀を忘れて訊いてみた。
「あぁ、あの写真は殿下が子供の頃のものですから。昔は成人病糖尿病高血圧をはじめ、多種多様な病を併発してたんですよ。その治療薬の副作用…………ということに、表向きはしています」
「表向きィ?」
「なんだ。ダイエットしてああなったわけじゃないのか。コーチ発見したぜ!ってミサカはミサカはぬか喜びしてしまったり」
「今はすっかり健康になったので、正常な体重、正常な体調。成長期特有の骨格の変化が今の殿下に良い結果となったんですね…………ということに、表向きはしています」
「中身はなーんにも変わっていません」と、乾いた笑いを残し、彼はモップとバケツを持ってトイレに消えていった。
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