302:ブラジャーの人[saga]
2012/04/24(火) 22:58:59.78 ID:RWe9LCdy0
「っん〜、よく寝た、ってミサカはミサカはのびのびしてみたり」
完全に太陽が顔を出した。明るくなった室内を見回すと、隣にいるはずの夫がいない。
おかしいと思って上体を起こせば、一方通行は打ち止めの腰辺りに、布団も被らず背を丸めて寝ていた。
足の先はベッドからはみ出し、しかも靴を履いたままである。
(これは一体どういうこと?)
シーツに手をついて彼の顔を覗き込もうとした時、違和感が。手の平を見ると、指輪がはまっていた。
手を裏返す。とても美しい宝石が輝いていた。
ダイヤモンドに見えるが、ピンク色をしている。さらにものすごく大きいと思う。
「………キレイ……」
一方通行の手元には指輪のケースが開いたままで無造作に転がっていた。寝ている間に、彼がはめたのだと察する。
ぐっすり眠っているところ忍びないが、打ち止めは一方通行の肩を揺する。
「あなた、起きて、ってミサカはミサカは早朝サプライズに興奮を覚えてみたり」
「……ン」
「この指輪はなぁに?ってミサカはミサカは訊いてみる。ねぇおはよう」
「……オマエにやる。婚約指輪も、結婚指輪も渡してなかっただろ」
「あ、ありがとう……」
眠い目をこじ開けて、妻が笑ってくれるかどうか見ようとしたが、近づいてくる顔は逆光でよく分からない。
笑顔を教えてくれたのは、頬に押し当てられる唇の形だった。
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