過去ログ - とある未来の通行止め その3
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371:ブラジャーの人[saga]
2012/05/09(水) 02:59:14.07 ID:GavnJBwX0

そんじゃ昼飯食いに行くか、と頷き合って、一方通行以外の三人がドアに向かう。ソファに座ったままの雇い主に、「来ないの?」と促した。

「なンで俺がオマエらと飯食わなきゃならねェンだよ」
「臨時とはいえ従業員なんですから、食事代を経費でまかなってくれませんかね」
「個室の部屋を取れば、もう少し細かい打ち合わせも出来るだろう」
「……俺は遠慮する。今決めた内容だけで作戦に支障はない」
「そんなこと言わずに。打ち止めさんと結婚して子供までこさえた貴方に、恨みつらみ妬みそねみの小言を囁かせてくださいよ」

昼飯なら、打ち止めの手作り愛妻弁当がある。それを食べなければならない。海原と土御門の誘い(?)をつれなく断った。

「なに一匹狼してんの。別にごはん食べに行くくらい平気でしょ? そんで奢りなさいよ」
「やかましィ。請求書寄越せば払ってやるから、さっさと行け」

頑なに拒否する一方通行の視線の先を読み、土御門が結標に何やら耳打ちをする。彼女はすぐさま頷いた。
その瞬間、隅の棚に置いてあった一方通行の鞄が、くたりと歪む。

結標の手の中には、座標移動で取り寄せたお弁当箱。包んでいた布さえ省いて、一目でそれと分かる、箱だけの状態で。

一方通行の肩が揺れる。


「……愛妻弁当かにゃー」
「……なるほど、気がつきませんでした」
「……ぷ」

結標はニヤニヤと顔に笑みを張り付かせ、弁当箱を一方通行の目の前に置いた。

「お寿司食べていいかしら。回らないやつ」
「好きにしろよ……」


うーに、うーに。いっくら、いっくら。たいはまちえんがわー。……大トロ!

一方通行を残して去っていく三人の足取りは軽い。今日の昼食はとても豪勢だ。




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