514:ブラジャーの人[saga]
2012/06/09(土) 00:00:08.44 ID:5RhntJUq0
しかしその余裕は一時間も続かなかった。打ち止めは余裕があるなんて認識ではなかったが、それを思い知った。
「あぁ! ……っうぅうう。い、いたいよー!!」
「打ち止め」
「無理ぃ! もう無理! 堪忍してお代官様ぁ!ってミサカは……!」
「しっかりしなよ最終信号っ。黄泉川も学校から応援してるよ!」
一方通行と番外個体は、それぞれ打ち止めの手を取って励ましていたが、いまや非力であるはずの打ち止めに握り返され骨が軋む思いである。しかし彼女が感じている痛みが、これでほんの僅かでも紛れるなら、どうということはない。
「ねぇ第一位、お姉ちゃんの痛がり方、尋常じゃないんじゃない。センセーか、産婦人科の人に今すぐ診てもらおうよ」
「参道が開き切るまでに、あと数時間はかかるはずなンだが……」
一方通行は不測の事態に備えて、使用を控えていた電極のスイッチを使用モードにした。
医師ではない自分だが、ある程度は現状を正しく把握できるだろう。
番外個体は片手を打ち止めに掴まれたまま、一方通行の指示を待たずにナースコールを呼び出した。
「あン!?」
奇声を上げた青年の様子に、番外個体は「すぐに来て」と、強い口調でマイクに告げた。
「どうだったの!?」
「……産道が、もうかなり開いている。こンな早く……」
「い、今すぐ産まれるってこと?」
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