564:ブラジャーの人[saga]
2012/06/18(月) 01:11:49.83 ID:Fz6z8l7g0
(こんな風にバージンロードを歩く夢を、ミサカはいつから抱いてたんだっけ……?)
(こンな風に明るい世界の象徴が俺の身に起こるなンて、あり得ないと思っていたが……)
隣を歩く愛する人がいたから、叶ったのだ。
(十字架でっか。ええと、リコウの結婚式ではインデックスの言葉に『誓います』って答えればOKだったけど、今回はどうすればいいの?ってミサカはミサカはここはミサカがお手本を)
示さなきゃ、と思って一方通行を見上げた。一方通行も打ち止めを見降ろしていた。
花嫁はベールを被らず、シルクと真珠の髪飾りだけだったので、二人の視線は近くで絡み合う。
普通なら新郎新婦は十字架に向かうのだが、一方通行は打ち止めの目の前に移動する。
ステンドグラスから降りそそぐ鮮やかな色が逆光となり、影となった新郎の正面が打ち止めの視界を埋める。
「教会でこう言うのもどォかと思うが……、俺が誓うのは、いつもオマエだ」
「…………」
「俺は、打ち止めを愛している」
「私も、あなたを愛してる」
何よりも誰よりも尊いものに誓いたい。
お互い囚われて、繋がれているのだとしてもそれでもいい。
二人で過ごしてきた日々が証明で、今この瞬間の心が真実だ。
(さっきの写真も、こんな顔をしてくれれば良かったのに、ってミサカはミサカだけの笑顔独占も悪くないと思い直してみる)
近づいてくる口づけを待って、打ち止めは目を閉じる。
(また泣いた……)
潤んだ目が閉じられたことによって、溢れた涙が打ち止めの頬に線を残す。
二人の誓いが唇でも交わされた。
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