過去ログ - 球磨川『騙し合い?』めだか「私はみんなを信じる!!」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]
2012/03/05(月) 21:31:19.43 ID:Vx3D7nSAO
めだか「ただいま」

善吉「おう、お帰り。めだかちゃん」

ワンルームの安アパートに彼と私は現在、同棲している。

めだか「すまないな。今から夕食の準備をするから」

善吉「んー」

彼はソファーの上に寝転がり返事をする。

善吉「めだかちゃん、どうだったー?」

めだか「あぁ、中卒だからな。やはり、この就職氷河期、厳しいな」

苦笑しながら私は呟く。

めだか「ぜ、善吉の方はどうだった?」

善吉「は?」

めだか「あ、悪い」

善吉「悪いじゃねえだろ……チッ」

舌打ちに私は畏縮しながら夕食を作る。

めだか「ぜ、善吉は出来る男だからな!! それをわからない奴らが悪いのだろう」

彼が半年以上も手を付けていない埃かぶった履歴書を私はどけて卓袱台の上に夕食を並べる。

善吉「おっ、飯か」

めだか「あ、あぁ。待たせて悪かったな」

善吉「ほんとだぜー、まったく」

めだか「ははは……」

<夕食後>

善吉「めだかちゃんよぉ……」

洗い物をしながら私は善吉の問いに聞き返す。

めだか「ん?」

善吉「明日、金がいるんだわ」

めだか「そ、そうか……幾らだ?」

善吉「んー、二万」

めだか「に、二万か……」

バイト代も決して多い訳ではない。

財布の中を覗くと丁度、諭吉が二枚あった。

めだか「な、何に使うんだ?」

善吉「あー、色々物入りなんだわ。仕事始めるとかで」

めだか「そ、そうか……」

私は善吉に二万円を手渡す。

ブランド物の財布を私は見つめる。

善吉「なんだよ?」

めだか「え? あぁ、いや。良い財布だなって」

善吉「……あ? あーあ、めだかちゃんにいいとかわかんの?」

めだか「あ、いや。あれだ。デビルかっけー! 財布だなって思ってだな……ははっ……ははは……」

善吉「…………うざっ。気分悪いから散歩してくる」

その日、善吉は帰ってこなかった。


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