過去ログ - 上条「さ、搾乳!?」一方通行「…頼むから死ンでくれ」
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上条視点
◆OA.IlXkgcyH8
[sage saga]
2012/03/16(金) 01:05:28.66 ID:X+Nak64O0
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その日俺は焦っていた。
何故なら一方通行との約束に遅刻していたからだ。
一方通行と付き合い始めてから、俺達は毎朝決まった時間に黄泉川先生のマンションの下で待ち合わせして、一緒に通学する様になった。
因に一方通行は俺と同じ高校に通うクラスメイトだ。
元々、付き合う事になった切っ掛けその物が、一方通行が俺の高校に通う事になった事だったりもする。
とにかく、俺はクラスメイトで恋人の一方通行との約束に遅刻しまいと、全身ズブ濡れのまま晴天の空の下を約束の場所へ駆けつけた。
待ち合わせの場所に着くと、一方通行はもう降りて来ていて、俺が来た事に目敏く気がついて視線を向けて来る。
あ、これはヤバいかも…。
上条当麻 「すまんすまん、なんか大きな桶に乗ったおばあさんが川に流されてて…!!」
一方通行 「なンだよ、そのとンでも展開はァ…!またお得意の不幸ですかァ?」
一方通行は可愛い顔立ちに似合わぬ、いつもの乱暴な言葉でツッこんできた。
全部本当の話なんだけどなぁ。
とにかく一番肝心な点に気付かないでいてくれて良かった。
上条当麻 「いやー流石の俺も今回ばかりは我が眼を疑いましたよ」
一方通行 「びしょ濡れじゃねェか。右手退かしてろ、触ってると全部乾かねェぞ。」
上条当麻 「お、おぉ…」
一方通行が電極のスイッチを入れて、俺の服に触れる。
仄かに漂う一方通行の香りに気を取られている間に、俺の服は乾いていた。
冬服じゃなかった事が幸いした。
もし冬服だったら、右手の袖だけグショグショと言う悲劇に見舞われていた所だ。
上条当麻 「相変わらずすげー便利だな。便利って言うか能力の無駄遣いのような気もするけど…。」
一方通行 「能力の有効活用って言うンですゥ。」
上条当麻 「すまんすまん」
俺の軽口に不満げに唇を尖らせる。
こういう時は独特の言葉遣いが何とも言えず愛しい。
だが、傍にいる必要がなくなり、一方通行は速やかに一定の距離をとってしまった。
変に身持ちが固いと言うか、真面目と言うか……当たり前の事なのに寂しい。
初対面の時いきなり殴ってるからな…と、回想し何とも言えない気持ちになる。
あの頃の事は、お互いにとって忘れちゃいけない黒歴史みたいなもんだ。
だが、そんな思考に耽る暇もなく、一方通行は最も触れたくない話題に触れて来た。
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