過去ログ - 吹寄「―――がんばりなさい、鋼盾掬彦」
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28: ◆FzAyW.Rdbg[saga]
2012/03/18(日) 21:02:48.57 ID:Xh4vPIL2o


「――いっそ、なんだって言うつもりだ、馬鹿」

「きく、ひこ?」

「……ああ、ごめんごめん、独り言だよ」


 そう言って鋼盾はくるりとインデックスに背を向ける。

 魔術師たちの気持ちはわかる、自分たちの手で救いたいのだろう。

 それは当然の感情だと、鋼盾だってそう思う。 


 ステイルの魔法名、神裂の涙。

 そこに込められた想いに、自分は触れてきたのだから。


 あるいは、探求と研鑽の果、いつの日か彼らの手が解答を掴むのかもしれない。

 魔術師のやり方で、ステイルと神裂がインデックスを救う―――なるほど、ハッピーエンドだ。

 絶望を乗り越え、望まぬ役に耐えぬいて、苦難の末に掴みとった栄光の結末だ。

 いい話だ、素晴らしい。


 が、それは今ではない、彼らは今回は諦めると言う。

 探したけど見つかりませんでした、残念ですが今回も見送りますと言う。

 また来年もがんばります、だそうだ。


 ふざけるな、と鋼盾は歯を軋らせる。

 リセットボタンなどない、コンティニューもない。

 ステイル、神裂―――それを、おまえらは履き違えている。

 手前勝手な幻想に溺れ、この子を何度殺すつもりだ。


 今、救う。

 インデックスを、救う。

 鋼盾掬彦が、上条当麻がそれを成す。


 負の連鎖を、ここで断ち切る。

 彼らに痛みを強いる事になっても、それを成す。


 そう。

 誰が救うか、じゃない。

 そんなことは大した問題じゃ、ない。

 強がりでもなんでも、そう認めさせなくてはならない。


 そのためなら、なんだってやってやる。

 追い詰めて追い詰めて追い詰めて―――問い落としてやる。




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