過去ログ - 吹寄「―――がんばりなさい、鋼盾掬彦」
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37: ◆FzAyW.Rdbg[saga]
2012/03/18(日) 21:21:31.17 ID:Xh4vPIL2o


「きみがこれ以上何かを喪うのを許さないとか、かっこいい台詞を言ったような気もするけどさ。
 ―――そうじゃないみたいだよ……ぼくが喪いたくないだけだったみたいだ」

「……きくひこは、わたしを、喪いたくないの?」

「当たり前だ、そんなこと聞くな馬鹿。
 言っとくけど、きみに忘れられたらさ、情けない話だけど――ぼくはきみを恨むぞ」


 寂しくて悔しくていじけて引きこもるね、絶対。

 泣くかも知れない、醜男の涙とか誰得だよ。


 恨むぞ、と言われたインデックスは、なんとも困ったような顔をする。

 なるほど返答に困るだろうなと鋼盾も思うが、やはりこれもどうしようもなく本音だ。


「……上条くんは、たとえきみに忘れられても、その絶望から立ち上がりきみを救おうとする。
 ステイルと神裂さんについては言うまでもないね、今もきみを諦めちゃいない。
 でも、ぼくには無理だよ―――ぼくを忘れたきみを、許すことができないと思う」


 ぼくは墓守なんてやらない、今のきみ以外は、いらない

 死んだきみも、ぼくの事を忘れてしまったきみもいらない

 次のきみに他人をみるような眼で見られるなんて、耐えられない

 耐えられないから、今ここで目の前にいるきみを意地でも守り通す


「だからぼくは、きみが諦めることを許さない。
 その首輪も上条くんに潰させるし、ステイルも神裂も手伝わせる。
 仮にきみが嫌がったって、それをやる」

「……嫌がるわけなんて、ないかも。
 一緒に戦うって、約束したんだから」

「うん、一昨日の晩にそう言ってくれたね。
 嬉しかったけど―――もう一個、ぼくはきみから聞きたい言葉があるんだ」

「……なんなのかな?」


 鋼盾掬彦には、ずっと気になっていたことがあった。

 結局この少女は、一度も己の望む未来を口にしてはいない。





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