過去ログ - 【Fate】みんなでかんがえたサーヴァントで聖杯戦争【皆鯖】
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◆0e.G9BzteE
[saga]
2012/03/16(金) 03:13:25.04 ID:KPGu6jrw0
その直後、貴方の胸に白薔薇の装飾が施された槍が突き刺さる。
何が起こったのか、貴方には理解できなかった。痛みを感じる暇さえなかった。
「フム、呆気もないな。少しばかり骨があるかと思いきや、まだ戦ったことすらない子鹿とは」
ずるりと、槍が抜かれる。
支えを失った貴方の体は、無造作に冷たいアスファルトの上に叩き付けられた。
徐々に視界が暗くなる。指先から力が抜け、体温が奪われる。
実感する。これが死なのだ。
貴方は薄れゆく意識の中で、何度も自分に問いかける。
ここで死んでしまうのか?
遠く離れた地まで来て、何もなさず、無意味に果ててしまうというのか?
聖杯を獲得し、当主に認めてもらうのではなかったのか?
――ああ、そうだ。こんなところで死にたくはない。
あの屈辱を忘れたのか。
当主に相手にされぬ屈辱を忘れたのか。
妹にさえ劣る自らの才への屈辱を忘れたのか。
――ここで朽ちるわけにはいかないのだ。
手が、うずく。
甲が、熱を帯びる。
令呪が、痛みを発する。
「――告げる」
気が付けば、口が動いていた。
ただ生きるために、貴方はうる覚えの召喚の呪文を唱える。
「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に!
聖杯の寄るベに従い、この意、この理に従うならば応えよ!」
「カッ! 往生際の悪いガキが!」
目の前の老人は悪態を吐き、再び貴方に向かって槍を振り下ろす。
だが、僅かに遅かった
「誓いを此処に! 我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者!
汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
貴方の頭に槍が突き刺さるほんの一瞬前に、詠唱は完了した。
巻き起こる風。目がくらむ程の光。
横に立つ何者かが、貴方の頭に刺さるはずの槍を吹き飛ばした。
「――問わん。汝が我の力を欲し、英雄の座より喚び出しし者か」
……ぼやけた意識の中、ただそれだけが、はっきりと聞こえた。
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