82: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/03/18(日) 21:04:48.85 ID:8VKkmjGKo
髪にカチューシャを付けた小柄な少女が勢いよくぶつかり、後ろに倒れて尻餅を
ついたようだ。
「だ、大丈夫か」
副会長はそう言って手を差し伸べる。
普通の人ならば、何事もない行動のはずだ。
しかし、
「い……」
「い?」
「いやあああああああああああああああ!!!!」
小柄な女子生徒はその場で泣き出してしまった。
「いや、別に何も……」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。これで勘弁してください!」
そう言って泣きじゃくる少女は震えた手で五千円札を取り出す。
中学生にとっては大金だ。
「おい、何をやってるんだ」
副会長があたふたと戸惑っていると、
「あれ? 唐沢さん?」
「あ、ホンマや。唐沢さーん」
ツインテールっぽい髪型をした女子生徒と、やや大柄で前髪にヘアピンをつけた
女子生徒が唐沢に声をかける。
どやら知り合いらしい。
「あれ? やよいちゃん?」
唐沢に声をかけた二人は、小柄な少女とも知り合いだったようだ。
助かった。副会長は素直にそう思った。
*
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