過去ログ - インデックス「当方に迎撃の用意あり」
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2:当方に進撃の覚悟あり[saga]
2012/03/18(日) 22:45:59.99 ID:aJiCFglS0

ひたすら、目の前にある何かを焼き払う。
ただそれだけの人生だった。
立ちふさがる敵も、常識の壁も、逃げ出したくなるような現実も。


そして、世界で一番守りたかった人も――――すべてすべて、この手で燃やし尽くした。


だから、当然のことなのだ。
胸の中で悔悟という獣を駈け回らせるのは、いつだって燃え滓だけが燻る殺風景な荒野だった。
後悔が爆ぜるように暴れているうちはそれでもいい。
しかしこの悔悟も、いつかは食むべき秣を断たれて、立ち止まる日がやってくる。
そうなったとき、自分は生きながらにして死ぬのだろう。
捧げた相手を失った、誓いの骸に縋りつき、死にながらにして生きていくのだろう。
死を選ぶことだけは許されない。
なぜなら自分は、彼女のために生きて死ぬ、ととっくのとうに思い定めているのだから。

息が切れてきた。
もう立ち止まってしまおうか。
そう思って足下を見つめ直したときだった。


欲しいものが、一つだけ見つかった。


ほとんど奇跡のような発見だった。
それでいて、どうして気が付かなかったのかと自問したくなるほどに、それはすぐ身近にあった。
燃え尽きたはずの何かに、再び火が点った気がした。



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