過去ログ - インデックス「当方に迎撃の用意あり」
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266:すべての人間は――[saga]
2012/05/20(日) 22:02:06.84 ID:zQfIGP0D0

苦笑いとともに提示された妥協案は、インデックスの心の内側をほぼ完璧に見通したものだった。
妥協させてしまった、という事実が羞恥をくすぐる。
一方で見透かされたという現実が不快感を煽ってこないことに、インデックスは驚きを禁じえなかった。


「いいかな、インデックス?」

「…………うん」


心の中で小さく、「ごめんねとうま」とつぶやいた。
そっと瞼を下ろす。
近づく靴音、高鳴る鼓動。

静謐な教会はどこまでも空気が澄んでいて、こうして目を瞑っていると別の世界に飛んできたような心地だった。

足音が止まる。
深呼吸がなされる気配。

いる。
すぐそこに、ステイル=マグヌスがいる。
自分にまっすぐな愛を告げてきた少年が、大人びた顔だちに似合わない純情さを丸出しにして、静かに佇んでいる。

かすかな呼吸音がはるかな高さから降りてくる。
首の後ろ側に腕を回されて、一瞬肩を跳ねさせてしまったが、互いの素肌が触れ合うことはなかった。
嫌な動悸だと思い込みたい鼓動が最高潮に達して、息苦しくなる。



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