過去ログ - インデックス「当方に迎撃の用意あり」
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269:――――[saga]
2012/05/20(日) 22:07:05.16 ID:zQfIGP0D0

チッ、と火花の散る音。
鼻孔を不愉快に刺激する、眉をひそめたくなる臭気。
視界の先で揺れる一条の白煙。


「君も本当は、心のどこかでは薄々わかってたんじゃないのかな」


ステイル=マグヌスが煙草を吸っていた。
気持ち良さそうに紫煙をくゆらせ、悪辣に嗤っていた。


「僕は、最初から“君”のことなど眼中になかった」


命を狙われている、と信じて疑わなかった時期に幾度となく目の当たりにした表情だというのに、初めて見るもののように思えてならなかった。


「僕の“仕事”は最初から、君をこの霊装の射程範囲内に入れることだけだった。すべて、そのために仕組んでいた。君と親しくなって、同情させて、油断を誘って檻にブチ込む。なにもかも、この瞬間のためだけにあった」


嘘だ。
絶叫が声にならず、喉の奥に消えていくのを確かめて、次にインデックスは瞼を固く閉ざした。
聞きたくはなかった。


「無駄だよ。『見る』、『聞く』、『考える』ことしかできない。裏を返せばその三つの行いだけは、何があってもやめられない。『ゴルゴンの眼』は精神的な拷問具としての役割も兼ねているのさ」


間近で、瞳と瞳がぶつかるほどの至近距離で覗き込まれる。
そしてインデックスは目撃した。



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