過去ログ - インデックス「当方に迎撃の用意あり」
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40:当方に迎撃の用意なし[saga]
2012/03/20(火) 21:28:18.73 ID:tIbuw6lR0

パクパク、と金魚が餌をついばむような音が耳の近くで鳴っている。
自分の口が開閉する音だ、とインデックスが悟るのにしばらくかかった。


「遠くから見ているだけでは我慢できなくなった。君の心の平穏と僕の内側の欲望を秤にかけて、僕は手前勝手にも我欲を取った。そう解釈してくれて構わない」


相も変わらず恬淡とした口調。
表面に熱の伝わってこない抑揚のなさ。
裏腹に、心臓の奥で脈打っていることを言の葉に乗せて如実に報せてくる、深い深い愛の火照り。
トンデモないことを言っているという自覚は、果たしてこの男にあるのだろうか。


「……すまない、少しの間だから、立ってもらえるかな」


意味ある単語を発話することさえできず、ああ、うう、と呻きながらインデックスは、こたつから脚を引き抜いた。
ステイルはカチコチになって立ち尽くすインデックスのすぐそばまで歩み寄ると、


「失礼」

「ひゃん!?」


恭しく手のひらをとって膝を付いた。
その姿はまさしく、女の子の頭の中の絵空事にしか登場しない、主君に忠誠を誓う騎士さながら。
そんな、ありきたりな感慨で頭を満たすので精一杯だった。



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