過去ログ - とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)
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404: ◆jPpg5.obl6[saga sage]
2012/07/29(日) 20:02:24.57 ID:0dEX4sX40

土御門はそう言うと、自分が調査した内容の報告を始める。
ここ最近は状況の変化が著しいため、こうして定期的に報告しなければ情報に齟齬が出てくることがある。
情報伝達の遅れや食い違いは組織に甚大な被害をもたらしかねない。
報告する頻度は3日に1度。戦争が終結した直後は1日に2、3度報告することもあったため、これでもだいぶ楽になった方だ。

今回の内容は主に学園都市内部の状況と学園都市外部、特に日本に存在する魔術組織の情報だ。
アレイスターがいなくなり、現在の学園都市は魔術組織からの防備が手薄になっている。
その隙を突こうとしている魔術組織がいないが調べ上げ、危険と判断されたものを特定して対処するのが目的である。

学園都市、そしてアレイスターの存在は日本国内の魔術師に対する一種の抑止力の働きをしていた。
魔術師と呼ばれるものは基本的に科学を毛嫌いする物であり、日本の魔術師も例外ではない。
当然、日本の中心部に鎮座している科学の最高峰たる学園都市に対しても不満があった。

しかし、学園都市の存在は外部の魔術師から日本を守る一種の防壁となっていたのも事実だ。
もし学園都市を破壊してしまうと十字教系魔術組織より規模が劣る日本の神道・仏教系魔術組織は、
その圧倒的な数の暴力により瞬く間に蹂躙されてしまう可能性がある。
日本の魔術組織は損と得を天秤にかけた結果、不満を押し殺して学園都市の存在を認め、不干渉を徹底する方針をとることにしたのだ。
その影にアレイスターの影響が少なからずあったことは間違いないだろう。

そして今回、アレイスターが行方不明になって抑止力が無くなったことにより、
今まで抑圧されてきていたものが一斉に表面化してきたのである。
今でこそまだ規模は小さいが、このまま放置すれば『日本魔術組織vs十字教』の大きな戦争に発展する可能性がある。
小規模の魔術組織については神裂火織率いる天草十字清教やアニェーゼ部隊の面々が対応に当たっているが、それでもかなり逼迫している。
もしイギリス清教に相当するような国家規模の魔術組織まで飛び火することになったら取り返しのつかないことになる。
もちろんそのようなことが起こらないよう魔術組織の動向については常に目を光らせてはいるが、
何時、何処で、何が起こるのか分からない以上、一瞬たりとも油断できないのが今の状況だ。
こうして会話している間にも何処かで争いが起こっているのかもしれないのだから。




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