過去ログ - 少女「それは儚く消える雪のように」 2
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三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/04/27(金) 18:43:22.56 ID:pjq4rUFZ0
そして彼女は、ぐったりと脱力した。
絆は、だいぶ長い間雪を抱いていた。
灰が体に降り積もっても、尚雪を抱いていた。
空から幾万もの粒子が舞い落ちてくる。
もう動かない亡骸を抱いて、絆はその灰の中、
ただ呆然と空を見上げた。
帰る場所なんて、どこにもない。
戻る場所なんて、もうどこにもない。
ここから基地に帰還できるかどうかも分からない。
軽く自嘲気味に笑って、
ボロボロの体で彼女にそっと呟く。
「帰ろう……」
動かない彼女。
鼓動を止めた彼女に、絆は静かに言った。
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