15: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:33:13.98 ID:cM3guj51o
魔王「勇者なんて気にする必要ないよ」
魔王の最大の敵である勇者。けれども、魔族最大の敵は勇者ではなく人類そのものだった。
生物として魔族は人類よりも(腕力と言う意味で)優れている。頭脳は同程度。
16: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:33:43.40 ID:cM3guj51o
世界の広さを数字で表すとしたら10。その内、魔界の広さは1。人間界は9。
つまり、世界の殆どは人間が統括している。
いくら魔族の力が強くとも、人口比……物量、兵力差を考えると魔族は手も足も出ないのだ。
17: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:34:09.49 ID:cM3guj51o
視点を変えてみよう。
逆に、人類が魔界を侵略しにこないのか? 答えはノー。
人類は魔界に足を踏み入れることが出来ない。理由は強烈な瘴気……毒ガスが蔓延しているからだった。
18: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:34:39.68 ID:cM3guj51o
魔王「勇者出てこないから大丈夫だよ。わたしが殺される心配はないよ」
大臣「そう言う意味ではなく……」
19: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:35:37.07 ID:cM3guj51o
魔王「じゃあ、ガーゴイルがわたしと戦ってとめる?」
大臣「そんな……あまり困らせないで下さい……」
20: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:36:03.80 ID:cM3guj51o
魔王「ガーゴイル。私は世界征服をやめるとは言ったけれど、魔王をやめるとは言ってないよ」
大臣「ですが……」
21: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:36:30.24 ID:cM3guj51o
その絶対的な力を前に、逆らえる魔族なんていやしない。
例え無茶苦茶な命令であろうとも、その指示は履行される。
もちろん、最低限の常識は踏まえているつもりではいるのでおかしな命令をするつもりはない。
22: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:37:02.10 ID:cM3guj51o
可哀想に。命令とハッキリ口にされてしまえば、ガーゴイルは反論することすら許されない。
命令が不服で反旗を翻したいのであれば、わたしに勝負を挑み、倒し、その者が魔王になれば良い。
魔王とは基本的に世襲制ではあるけれど、魔王より強い者がいれば交代は出来る。
23: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:38:01.36 ID:cM3guj51o
大臣「本日より、人間界への侵攻は中止との通達を全軍に発令いたします……」
魔王「うん、お願い。世界征服はやめ、自由にしなさい、と。ああ、当然だけれど自由と無法を履き違えたお馬鹿さんがいたらわたしが直々に処罰する旨も忘れずに」
24: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:38:42.36 ID:cM3guj51o
しかし、現状ではそれが困難であることをわたしは理解している。
魔王と言う立場で人間界に足を踏み入れる。それはイコール戦争であり、最終決戦と魔族全体が勘違いしても仕方がない行為なのだから。
だから、そう言った考えを変えさせる。
25: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:39:09.95 ID:cM3guj51o
たったそれだけのことをしたいがために、魔王であるわたしは前代未聞の命令を発した。
文句は言わせない。
いや、言いたければどうぞ。力でねじ伏せるだけだからね。
前代魔王である父から授かった力はこんなことにしか役に立たないけれど、あえてわたしは心の中で感謝を唱えた。
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