8: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:28:45.16 ID:cM3guj51o
  
 大臣「あっ、貴女様はっ! 先代であるお父上の、大魔王様の跡継ぎなのですよ!?」 
  
 魔王「わーかってるって。だからこうして、この椅子に座ってるんでしょう」 
  
9: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:29:14.19 ID:cM3guj51o
  
  形式としては総当り戦での力比べ。 
  全ての兄姉と戦い、一番勝利の数を挙げた者が王になると言うシンプルなものだった。 
  
  優勝者は説明するまでもなく、このわたし。 
10: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:30:42.25 ID:cM3guj51o
  
 大臣「でしたらなぜそのような発言をっ!」 
  
 魔王「いやあ……一年は頑張ったし、そろそろやりたいようにやろうかなって」 
  
11: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:31:12.46 ID:cM3guj51o
  
 魔王「だから、わたしは世界征服をやめます」 
  
 大臣「魔王様…………」 
  
12: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:31:48.28 ID:cM3guj51o
  
 大臣「人間は我々の天敵ですぞ! 魔族の中には人間を主食としている者だっております!」 
  
 魔王「おえー……わたしは無理。わたしって人型じゃん? 無理だよ、人間を食べるとか……牛とか豚で良いじゃん」 
  
13: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:32:16.86 ID:cM3guj51o
  
 大臣「魔王様がそのような考えをお持ちになられても、人間はそうではありません! 勇者が魔王様の命を狙いにいつ現れるか!」 
  
 魔王「勇者……ねえ」 
  
14: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:32:43.53 ID:cM3guj51o
  
 大臣「そ、それはそうですが……」 
  
  人間界に勇者と呼ばれる人間は一人や二人ではない。結構な数、その称号を持つものがいるとか話しを聞いている。 
  実際のところ、勇者の力量もピンキリで“一般人よりは強いけれど……”程度も少なくないらしい。 
15: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:33:13.98 ID:cM3guj51o
  
 魔王「勇者なんて気にする必要ないよ」 
  
  魔王の最大の敵である勇者。けれども、魔族最大の敵は勇者ではなく人類そのものだった。 
  生物として魔族は人類よりも(腕力と言う意味で)優れている。頭脳は同程度。 
16: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:33:43.40 ID:cM3guj51o
  
  世界の広さを数字で表すとしたら10。その内、魔界の広さは1。人間界は9。 
  つまり、世界の殆どは人間が統括している。 
  
  いくら魔族の力が強くとも、人口比……物量、兵力差を考えると魔族は手も足も出ないのだ。 
17: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:34:09.49 ID:cM3guj51o
  
  視点を変えてみよう。 
  逆に、人類が魔界を侵略しにこないのか? 答えはノー。 
  人類は魔界に足を踏み入れることが出来ない。理由は強烈な瘴気……毒ガスが蔓延しているからだった。 
  
18: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2012/03/22(木) 02:34:39.68 ID:cM3guj51o
  
 魔王「勇者出てこないから大丈夫だよ。わたしが殺される心配はないよ」 
  
 大臣「そう言う意味ではなく……」 
  
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