809: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/04/29(日) 04:55:44.57 ID:jmvVVAQ4o
部屋の隅から姿を現したのは黒い外套を纏った男であった。
黒い髪は中途半端に伸び、整えられていない。
丁寧な口調とは裏腹に、男が身嗜みに気を使っている類の人物でないことが伺い知れる。
810: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/04/29(日) 04:56:16.94 ID:jmvVVAQ4o
アルカ「ええ。知己と会話を交わすのに、お供を付ける必要もないでしょう」
アスモ「くっく……」
811: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/04/29(日) 04:56:47.40 ID:jmvVVAQ4o
アスモ「さてさて。魔人王殿は如何な用でこちらに参られたのであろうな」
アルカ「いきなり本題ですか。せっかく美酒を持参したのですから、ゆっくりと酒を酌み交わしたいと思ったのですがね」
812: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/04/29(日) 04:57:19.31 ID:jmvVVAQ4o
アルカ「失礼」
アスモ「ほう……言うだけのことはあるわ。なんとも良い酒を持ってきたものよな」
813: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/04/29(日) 04:58:09.15 ID:jmvVVAQ4o
アスモ「貴様が来ると夜が暗ろうて仕方がないわ」
アルカ「それは申し訳ない。何分、そう言った質ですので我慢して頂けると幸いなのですが」
814: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/04/29(日) 04:58:42.27 ID:jmvVVAQ4o
アスモ「……」
アルカ「……」
815: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/04/29(日) 04:59:09.76 ID:jmvVVAQ4o
アルカ「近頃は忙しく、ご尊顔を賜る機会もなかったもので。お元気でしたか?」
アスモ「よう言う。であれば、今からでも遅くはない。直接に部屋を訪ねてみてはどうよ」
816: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/04/29(日) 04:59:56.92 ID:jmvVVAQ4o
アスモ「あれはあれで、先が楽しみな女子よ」
アルカ「……さすがは色欲を司る大悪魔。中々に広い趣味をお持ちで」
817: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/04/29(日) 05:00:49.96 ID:jmvVVAQ4o
アルカ「正直に申し上げれば、魔王様と御大の会合は色々と考えさせられるものなのですよ」
アスモ「ほう」
818: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/04/29(日) 05:01:32.93 ID:jmvVVAQ4o
アスモ「これは偶然よ。魔王が興味本位の暇つぶしでこの部屋を見つけ、訪れたに過ぎぬ」
アルカ「なんとも……」
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