978: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/06/05(火) 06:31:50.67 ID:7iu+BaMYo
  
 魔王「んんっ……」 
  
  ゴミ箱を抱いたまま寝返りをうつ。 
  断っておくけれど、体調が全快しているわけじゃない。 
979: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/06/05(火) 06:32:18.31 ID:7iu+BaMYo
  
  部屋にアラクネがまだいるのかと思って声をかける。 
  当然のように返って来る返答。 
  
  どうやらわたしが眠っている間もずっと部屋にいてくれたらしい。 
980: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/06/05(火) 06:32:44.91 ID:7iu+BaMYo
  
 魔王「うんー」 
  
 アラクネ「お加減は?」 
  
981: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/06/05(火) 06:33:19.25 ID:7iu+BaMYo
  
  わたしがまだ世界征服をやめると宣言する前は、こうしてアラクネが毎日掃除をしてくれていたんだったな。 
  服は綺麗に畳まれているし、本棚もちゃんと巻数が見えるように綺麗に並べられている。 
  
  机の上も整頓されているし。 
982: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/06/05(火) 06:33:45.90 ID:7iu+BaMYo
  
 魔王「アラクネ、あれは?」 
  
 アラクネ「あら。気付かれました?」 
  
983: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/06/05(火) 06:34:23.11 ID:7iu+BaMYo
  
  人間界。 
  そのワードを聞いただけで、自分の体調を忘れてワクワクしてしまう。 
  
  人間界の食材だって? 
984: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/06/05(火) 06:34:52.16 ID:7iu+BaMYo
  
 魔王「あ……」 
  
  不意に声が漏れた。 
  そう、思い出す。 
985: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/06/05(火) 06:35:21.62 ID:7iu+BaMYo
  
 アラクネ「ふっふー」 
  
 魔王「……?」 
  
986: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/06/05(火) 06:35:47.70 ID:7iu+BaMYo
  
 アラクネ「魔王様は体調を心配しておいででしょう?」 
  
 魔王「あ、うん……この調子じゃ食べても……」 
  
987: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/06/05(火) 06:36:16.79 ID:7iu+BaMYo
  
 アラクネ「えーっとですね、これらの材料を使って作るものがですね、二日酔……えーっと、魔王様の今の体調を回復する効力があるんですよ」 
  
 魔王「……」 
  
988: ◆H7NlgNe7hg[saga sage]
2012/06/05(火) 06:36:43.03 ID:7iu+BaMYo
  
 アラクネ「“味噌汁”と言うものなんですがね、いやー美味しいのなんの。私も先ほど味見をしたのですが、魔界にはない味わいでしたよ」 
  
 魔王「ゴクッ……」 
  
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