過去ログ - 男は安価剣に呪われて、伝説を残すため旅をするようです。
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35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/03/22(木) 20:55:30.69 ID:FFA+bc7x0
幽霊「私を殺した、女を殺して」

男「っ」

幽霊「私はここから動けない。だから、私の代わりに」

鳥肌が立つほどの寒気と共に、幽霊の周りに濃密な黒い靄が渦巻く。
それは、今まで平和に暮らしてきた僕にとっては縁の無いもので、危うく意識を失いかけた。死の気配、僕は今それを目の当たりにしているのだ。幽霊は光の消えた目でまっすぐに僕を見据える。逃げられない、少なくとも答えを出さずには。

アンカー「すげー怨念だな、この女。相当そいつを憎んでるぜ? うわはははは!」

魔剣が楽しそうに笑った。なにがそんなにおかしいのか。

アンカー「すこーし予定が狂ったが、良い出だしじゃねえか。決めた。このアンカー様の華麗なるプロローグは、亡き女の無念を晴らすことにしよう! くぅ、格好いいね!」

どこがカッコいいんだ。僕は絶対にこんな依頼受けたくない! 人を殺すなんて、そんなの出来るわけないじゃないか。

アンカー「だが、受けないと殺されるのはお前だぜ?」

そうだ。もし、ここで僕が首を横に振れば僕の存在は恐らくこの世から消える。
僕の命か、他人の命か――。聖人君子ならば迷わず自分の命をささげるだろう。けれど僕はただの一般人だ。とてもじゃないが自分の命を対価に出来ない。


だから。

男「……分かった」

僕は頷いてしまったのだ。それしか、僕には選べなかった。







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