過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/14(月) 21:10:54.34 ID:gWRHFoUH0
「あんた……一体今までどこほっつき歩いてたってのさ!勝手にいなくなったりしてっ!」
途端に飛んできたのは怒声である。
土星に近しいこのリリシアンにおいても、その怒声はやはり変わることなく杏子の鼓膜を振るわせた。
何故だかはわからないが、その声が杏子にはなにやら愛おしく感じられた。
込み上げるその感情はあるいは感慨、あるいは思慕のようでもあったりして。
それに駆られるように、杏子はさやかの手をとって。そしてじっとさやかの顔を見つめて。
「それは……ほんとに悪いと思ってる。でも、おかげで問題は解決した。
もう大丈夫だ、どこにも行かない。……ほんとごめん、さやか」
どうやらさやかのたった一言で、杏子の胸中の諧謔たる思いは一片に消し飛んでしまったらしい。
珍しく素直に自分の非を詫び、頭を下げる杏子の姿に、逆に困惑してしまうさやかでもあった。
「……ったくもう。そんな風に言われたら怒るに怒れないでしょうが。
それで、本当にもう大丈夫なんでしょうね。だったら、ちゃんと事情を聞かせなさいよ」
「分かってる。……ちょっと衝撃的な話かも知れないけどさ、とりあえず最後まで聞いてくれよな」
真夜中深夜、うなされているところを叩き起こして。
話しているのはそれとは全く関係のないことである。けれどそうして話をしている間に
蒼白とでも表現できそうなさやかの表情には僅かに赤みが戻ってきていて
全身にびっしょりと浮かんでいた汗も、幾分かは引いたようだった。
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