過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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54: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/03/29(木) 19:12:37.73 ID:fPUg4sSN0
機体性能を、魔法を含めたそれを最大限に引き出した戦いは、その次元を作り出していた中枢。
そこに存在していた得体の知れない一対のバイドを倒したことにより、二人の戦いは終わりを迎えた。
崩壊する空間、それを潜り抜けた先は見知らぬ異次元でも、遥か遠い宇宙の彼方でもなく。
驚くべきことに、太陽系だったのだ。
そうして、二人は思わぬ帰還を遂げたのである。

そう、それは誰も知らないこと。
全てが終わった後にでも、十分に調べればようやく誰かが気付けるであろうこと。
彼女達が戦いを繰り広げたその場所は、太陽系への真正面からの侵攻が停滞していたバイドが作り出したもの。
直接太陽系内部への侵攻を果たすための、迂回路だったのだ。
その道を使い、バイドはグリトニルへの奇襲を成し遂げていた。
もちろん、その事実は未だ持って余人の知るところではなかった。

だからこそ織莉子もそれを知らず、そして言葉を続ける。

「今まで、私達は何度も死に掛けてきたわ。いつどこで死んでしまってもおかしくはなかった。
 でも、今まで生きてこられた。首の皮一枚のような状態でも、生き抜いてこられたでしょう? 
 だからね、きっと今回もなんとかなってしまうんじゃないかなって、そう思うの」

そして、なにやら呆れたように織莉子は笑う。
死線など、もう飽きるほどに越えすぎてしまった。
そんな自分達の命を、一体今更誰が奪えるというのか。
それは虚勢かも知れない。意味のない慢心かもしれない。けれど、何故だか奇妙な確信があった。
この先もずっと、一生二人で生きていけるという確信が。

「……参ったなぁ。そんな風に言われてしまうと、私までそんな気がしてくるよ。
 確かに、今までの私達は危ない事と死にそうな目にあってばっかりだ。
 そろそろ、二人でのんびりと過ごしたいものだね」

一瞬だけ呆気に取られて、それから。
キリカもまた、こみ上げる笑みを隠し切れないように漏らしながら、答えた。


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