過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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116: ◆2PnxfuTa8.[sage saga]
2012/04/02(月) 16:25:59.34 ID:KQfcG9UG0
「ところで……どの程度間引くつもりなのかね?」

 老人は少女に問いかける。

「全て」

「全て?」

「妲己様に歯向かう者全てですわ」

「ふむ、天晴だな
 で、あの狼男は貴様らの傀儡として……どこまでがお前たちの手の内なのだ?」

 彼女は下の戦場を見てほくそ笑む。

「それはお答えいたしかねますわ
 さて妲己様をお守り頂いた皆様方にあの騒ぎが飛び火しては大変です
 今すぐ処置をいたしますのでしばしお待ちくださいませ」

 朔夜はコホンと咳払いをしてから魔術書を片手に詠唱を開始する。
 それと同時に彼女の周囲をとてつもない魔力を秘めた宝石達が飛び回る。

「――――天より降りるヴリルの火よ
 ――――我こそは玉髄と閃光織り成す呪いの担い手
 ――――我が祖の名前において古き血の盟約を結ぶ者
 ――――契約により我が手に必滅と顕正の理を授けたまえ
 穿て、砕け、嫐れ、放て、燃やせ、凍てつけ、我が主の敵を破滅に導け
 


     告げる



 極彩の虹光よ、我に遵え!」

 朔夜の指先から七色の光が溢れ、会場を制圧しかけていたブギーの蟲を濃密な魔力のみで焼き払う。
 そして彼女はいかにも魔女といった雰囲気のローブを脱ぎ捨てる。
 すると中から現れたのはThe☆魔法少女といった感じのピンク色な意匠の衣装だった。

「妲己様の右腕、魔法少女ミラクル☆サクヤ参上!」

 この一撃の為に彼女は数年間宝石に魔力を貯めていたのだ。
 圧倒的な一撃による力の誇示。
 それが統治のための最良のパフォーマンスであると歴史が証明している。

「さあ、妲己様のどこのどいつ!?妲己様の前に私と戦ってもらうわよ!」

 静まり返る会場。
 当然だ。
 ガンドとは本来指さすだけで相手を病に追い込む呪い。
 莫大な魔力を使ってある程度の指向性をつけたものの全員がその呪いを浴びたのだ。
 特に、妲己に歯向かっていた勢力には完全に直撃した。
 口から血反吐を吐いて崩れ落ちるが殆んどである。
 先程までは一人で数十人の悪魔憑きを切り刻んでいたウルヴィーも、もはや瀕死である。
 芝居とバレぬように本当にガンドを撃ちこまれたのだ。
 前もって朔夜の作ったアミュレットを受け取っていたにしても苦しくない訳が無い。
 妲己は笑顔を絶やさずにウルヴィーの元に歩み寄る。

「今回私は殆んど戦っていませんが……これも含めて私の力ですよね?」

「……俺の負けだよ、俺はあんたに従う」

「ならば良いでしょう
 さて、ジャックさんと一緒に私に歯向かってきた悪魔憑きの皆さんは……
 …………あらやだ死んでる、運が悪かったのねえ
 でも私は器が広いから降参する人たちは皆許します
 特に強い人は大好き、大歓迎よ?」

 死屍累々な会場中を見渡す。
 過去にも集会でこのようなことはあった。
 だがここまで死者が出たのは初めてだ。
 その事実が彼女の王としての君臨に更に箔をつけるだろう。


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