過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/12(土) 20:48:47.59 ID:GzWJzT9Do

 彼女が悪魔憑きを発症したのは四年前、十三歳の時だ。
 その頃彼女は安アパートの一室に、父親、そして弟と一緒に住んでいた。母親はその頃には既に亡くなっていた。
 サラはぼんやりと母の顔を思い出すことはできたが、弟は母の顔を知らない。そのことで彼はよく泣いた。なだめるのは一苦労だった。
 母親が死んでから、もともと悪かった父の素行はさらに悪くなった。
 仕事もせずに昼間から飲んだくれ、酩酊していない時間が珍しかった。
 彼はよくサラを殴った。酒がなければそのことで。酒があればあったでもっとうまい酒を買ってこいと殴った。
 弟も殴られそうになることはあったが、彼女がそれとなく守っていたので実際に暴力にさらされることは少なかった。
 それでも殴られたときは、彼女は泣いて弟に謝った。守ってあげられなくてごめんね。こんなお姉ちゃんでごめんね。

 こんな生活でも、彼女はとりあえず満足していた。大事な弟がそばにいればそれで良かった。
 それが一変したのは彼女が仕事を終えて――その時既に彼女が一家の稼ぎ手だった――帰ってきた夜のことだ。
 その夜、珍しく父親は酩酊していなかった。だが、薄明るい部屋の中、その目がギラギラとしていて不気味だった。
 部屋の隅で弟がうずくまっていた。乱暴を受けたのだと一目でわかった。彼女は父親を睨みつけ、弟に駆け寄ろうとした。
 しかし。父親は弟に伸ばそうとした彼女の手をとると、乱暴に引き倒した。
 彼女に押しのけられ、床の酒瓶がいくつもぶつかり合って耳障りな音を立てた。
 いきなりの視界の変化に呆けていると、父親は彼女に覆いかぶさってきた。混乱して暴れると殴られた。
 何回も何回も殴られて、力が抜けたところで乱暴に服を脱がされた。それこそ引きちぎるかのような脱がせ方だった。
 悲鳴を上げた。漠然と理解した。これから、今までとは比較にならないおぞましいことが起きる。
 口を口でふさがれ、秘部をまさぐられ。父親が男性器を取り出した時には発狂の寸前だった。
 助けて。言葉にならなかった。なぜ、と問うた。なぜこんな目にあわなければならないのか。
 この世に神はいないのか。頭の中が、かっ、と熱くなった。弟が自分を呼ぶ声が聞こえた。
 この時彼女は悪魔憑きとなった。



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