過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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160:仮面ニャルライダーホテップ[saga]
2012/05/13(日) 23:43:21.09 ID:oktdI4Nh0
 気配はその先の曲がり角からだった。
 響く悲鳴。

「誰か助けてくれ!」

 子供の頃は自分が正義の味方になれると思っていた。
 子供の頃は自分が世界を変えられると思っていた。
 子供の頃は自分がなんでもできると思っていた。

 バイクから降りて彼は腕を高々と天に掲げる。

 身体が大きくなると夢の大きさは縮んだ。
 身体が大きくなると世界は窮屈になっていった。
 身体が大きくなると怖くて何もできなくなっていた。

 彼がイメージするのは自らの願った“最強”。

 腰に埋め込まれたイヴィルベリルが浮かび上がりベルト状の形態に変化する。
 精神の昂りに呼応して顔面に漆黒の痣が浮かび上がる。
 彼に与えられたものは、顔のない神の力。

「――――――――変身!」

 光を反射しないのっぺりとした仮面。
 目のあった筈の位置には白いラインが走ってる。
 肘と膝には真紅の刃。
 これが、かつて正義の味方を夢見た少年の末路。
 皆の夢見るヒーローの醜悪なパロディ。
 
「誰あなた?」

「……マスカレイダーと名乗っている」

 そこには今まさに男に襲いかかろうとしている蜘蛛女が居た。
 漆黒の男は彼女の前に立ちふさがって襲われていた男を逃げるように急かす。
 男は這々の体で走り去っていった。

「人の獲物を横取りって訳?随分な趣味だわねえ
 私も貴方も化物同士でしょうに」

 会話に意味など無い。
 そんなことは解っている。


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